

UX/UIデザイン用語集⑦|UXチーム構成
この用語集は「UXってなんだか小難しそう」「プロジェクト内で用語や定義がバラバラ」といったエンジニアやデザイナーの初学者の方向けに、まずはUX/UIデザインについて広く全体像を掴んでいただく意図で作成しています。
概要的な説明を記載していますので、気になる用語を見つけた際はぜひご自身で深く調べてみてください。
この用語集は以下①〜⑧の記事で構成されています。UX/UIデザインの基本概念から設計フレーム、調査手法、UI構成要素、ドキュメント、チーム体制、開発連携に至るまで、全体を俯瞰できる用語を選定して整理しています。
様々な企業や職種が関わるプロダクト開発の現場において、UX/UIデザインへの共通理解を深め、意思決定や進行の遅れを防ぐお手伝いになれば幸いです。
<UX/UIデザイン用語集へのリンク>
| ① | UXの基本概念 | 前提の考え方 |
| ② | 設計の思考体系 | ユーザー中心の発想法 |
| ③ | ユーザー理解の調査手法 | 現状把握の手段 |
| ④ | 設計補助フレーム | 調査や整理、可視化に頻出するフレーム |
| ⑤ | UIの構成要素と表現 | 画面設計時の大切な要素 |
| ⑥ | その他 成果物やドキュメント | UI以外の有効なドキュメント |
| ⑦ | UXチーム構成 | よく協業する職域 |
| ⑧ | ツール・開発連携 | よく使用するツールや開発との連携 |
ユーザー中心の設計を担う
UXデザイナーは、ユーザーの行動・感情・課題をユーザー調査(インタビュー・アンケート・観察など)によって把握し、ワイヤーフレームやカスタマージャーニー、プロトタイプを用いて改善設計・検証を行います。主な業務内容は以下のようなものになります。
・ユーザーリサーチ/ペルソナ作成
・情報構造(IA)やユーザーフローの設計
・ワイヤーフレームおよびプロトタイプの作成
・ユーザビリティテストやA/Bテストの実施
・開発チームへの仕様提供や他部門との連携
UX設計は心理学・ビジネス・技術を横断し、ユーザー体験を製品全体として設計します 。
よくある誤解
「UXデザイナー=UIデザイナー」は誤認です。実際には、UI(画面デザイン)はUXの一部分にすぎません。UXは「体験全体」を設計対象とし、UIは「見た目」や「画面操作」に限定されます。
POINT
・常にユーザー視点で判断し、感情や行動のデータを根拠に設計する
・幅広い調査手法(定性・定量)と情報構造設計力を習得する
・チームと円滑に協働できるコミュニケーション力を鍛える
使いやすい設計のスペシャリスト
UIデザイナー(User Interface Designer)は、カラー、タイポグラフィ、ボタン、アイコンなどのビジュアル要素をデザインし、ユーザーが意図せず迷わないインターフェースを設計します。
ユーザー調査やプロトタイプに基づき、UIの細部を調整し、実装可能性を考慮して開発チームと連携しながら改善を繰り返し、UXデザイナーと協働しながら、全体の体験(UX)を支える重要な役割を果たします。
活躍する場面
UIデザイナーは、新規アプリやWebサービス開発時のビジュアル設計、既存プロダクトのUI改善やリニューアルプロトタイプ制作、ユーザビリティテストによる検証、デザインシステムやスタイルガイドの策定・維持などの局面で活躍します。
POINT
・色・間隔・形など視覚要素が行動を左右することを意識する
・ユーザーの目的達成を意識するなどユーザー目線を養う
・実装時の制約を考慮しエンジニアと密にコミュニケーションする
フロントエンドエンジニア
HTML/CSS/JavaScriptを活用し、Webサイトやアプリの「見える部分」を構築する技術者。UIとUXを両立させながら、デザイン実装・アクセシビリティ・パフォーマンス・レスポンシブ対応など多面的な要件を担う。
UI実装の実務者でありUXの守護者
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが操作するWebサイトやアプリの画面部分を担い、視覚と体験の両面を技術で支える役割を果たします。単なる見た目の実装にとどまらず、以下のような幅広い責任を持ちます。
・HTML/CSS/JavaScriptやReact/Vue等を用いたUI構築
・スマホ・PCなどマルチデバイス対応(レスポンシブデザイン)
・アクセシビリティへの配慮
・パフォーマンス最適化(軽量化、遅延読み込み、キャッシュ戦略等)
・チームと連携して改善提案と実現性の検討
活躍する場面
デザインができる前段階から関わることもあります。例えば「目の見えない人のために音声読み上げに対応する」「画面の切り替えが多いので、必要なときにだけ読み込むようする」というように、技術視点で「使いやすさ」を良くする提案をすることもあります。
POINT
・早期からコミュニケーションに参加し、技術的可用性を検討する
・アクセシビリティとパフォーマンスは、UI実装と同時に気を配る
・コンポーネントやCSS設計を整え、再利用やメンテナンス性を向上
プロダクトマネージャー(PdM)
デジタルプロダクトの開発・改善において、ユーザーニーズとビジネス要件の両立を図りながら、プロダクトのビジョン策定からローンチ後の改善までを統括する職種。
UX・技術・ビジネスをつなぐ指揮者
プロダクトマネージャーは、ユーザーリサーチや市場調査によって課題を抽出し、製品ビジョン・戦略・ロードマップを構築します。その後、UXデザイナーやエンジニアと連携しながら、バックログ優先順位付け、ユーザーストーリー設計、仕様策定、ベータテストの実施、KPI・OKRによる進捗管理も行います。
アジャイル開発においてはプロダクトオーナーと近い役割を持ち、継続的にプロダクトを改善し続けます。
活躍する場面
プロジェクトマネージャーやマーケ担当などと混同されがちですが、PdMはプロダクトの価値最大化に責任を持つ役割です。単なる進行管理職ではなく、戦略からUX・開発・ビジネスの統合に深く関わります。
POINT
・ユーザー調査に主体的に関わり、必要な機能をUX視点で捉える
・デザイン・開発・営業・マーケなどと調整しKPIを共有する
・データやユーザーインサイトをもとにプロダクトを改善し続ける
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクト全体を計画・調整・管理し、UX/UIチームやステークホルダーを統括して成果物を期限内・予算内でユーザー視点とビジネス視点を両立させて導く立場の専門職。
プロジェクトを成功へ導く司令塔
UX/UI領域におけるPMは、以下を担います。
・プロジェクト計画・進行管理(スコープ・スケジュール・コスト)
・チーム編成と役割分担(デザイナー・開発者・リサーチャーなど)
・UX/UI・ユーザーリサーチ・プロトタイプ作成などの進行を統括
・方法論の適用(アジャイル/ウォーターフォール/カンバンなど)
・ステークホルダーとの調整・報告
・ユーザー価値とビジネス目標の整合
加えて、UX特有のスキルとして「デザイン思考の理解」「情報設計やビジュアル原則の基礎知識」「ユーザーテストや分析プロセスへの理解」など幅広い知見が求められます。
活躍する場面
企画フェーズにおける要件定義やドキュメントの作成から、UX調査や優先順位の決定、進捗管理といった設計段階のリードまで幅広く活躍します。また、開発時には工程の効率化や自動化、開発時のレビューなどを担当し、品質保証・公開段階ではUIレビューやリリース対応など、プロジェクトの各工程で重要な役割を果たします。
POINT
・関連知識を習得し、デザイナー/エンジニアと共通言語で会話する
・プロジェクト特性に応じた方法論を柔軟に使い分ける
・ユーザーとビジネス双方の目線を調整・調和させ続ける
その他のUX/UIデザイン用語集へのリンク
| ① | UXの基本概念 | 前提の考え方 |
| ② | 設計の思考体系 | ユーザー中心の発想法 |
| ③ | ユーザー理解の調査手法 | 現状把握の手段 |
| ④ | 設計補助フレーム | 調査や整理、可視化に頻出するフレーム |
| ⑤ | UIの構成要素と表現 | 画面設計時の大切な要素 |
| ⑥ | その他 成果物やドキュメント | UI以外の有効なドキュメント |
| ⑦ | UXチーム構成 | よく協業する職域 |
| ⑧ | ツール・開発連携 | よく使用するツールや開発との連携 |
以下の記事でもUX/UIについて紹介しています。興味を持っていただけましたらぜひご覧ください。
この用語集をPDF版として見たい方は以下よりダウンロードください。
最後に
本シリーズが、みなさまのプロジェクトにおける「共通言語づくり」の一助となれば幸いです。
UX/UIデザインを「難解な専門領域」ではなく、誰もがよりよいプロダクトづくりに参加するための「思考の土台」と捉え、気になる用語や概念があれば、ぜひ実務に照らして深掘りしてみてください。
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