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未来思考ワークショップ|2050年の食の未来と新たな事業の可能性を探る

#ブランディング#人材育成

エスビー食品株式会社 さま

エスビー食品株式会社様が推進する、未来を起点として新たな事業の可能性を考える取り組みを、未来思考ワークショップの設計・運営によって支援しました。ワークショップでは、2050年に向けた社会や技術、経済、自然環境、政治、文化の変化を捉えながら、食を取り巻く複数の未来を想像。そこに暮らす人々の価値観やニーズを掘り下げ、未来の事業アイデアへとつなげました。

この記事では、前半にワークショップの目的や概要を紹介。
後半にプロジェクトの背景や成果をインタビューの形式で紹介します。

対応内容 未来思考ワークショップの企画・設計・運営
期間 約5ヶ月

ワークショップ概要

先行きが見通しにくく、社会や市場の不確実性が高まるなか、企業が新たな価値を生み出し続けるためには、目の前の課題解決や既存事業の延長だけではなく、長期的な視点で未来の可能性を考えることが重要になります。

エスビー食品様は、未来の変化を捉えながら自社が進むべき方向性を考え、新たな事業創造につなげる「未来推進プロジェクト」を推進しています。その一環として、社員一人ひとりが未来を考える視点や思考プロセスを身につけることを目的に「未来思考ワークショップ」を実施しました。

TDSは、このワークショップのコンセプト設計、未来情報の調査・教材開発、各ワークの設計、ファシリテーション、実施レポート作成などを支援させていただきました。目指したのは、一つの未来を予測することではなく、さまざまな変化の可能性から複数の未来を仮説として描き、「その未来において社会や人々の暮らしがどう変わるのか」「エスビー食品に何ができるのか」を考えることです。

−コンセプトは、「食の未来を探る、深める。」

ワークショップは、「食の未来を探る、深める。」というコンセプトで実施。食文化に関わる未来の兆しを知るだけでなく、その変化が社会や産業、人々の価値観にどのような影響を与えるのかを掘り下げ、未来の世界観や事業の可能性を段階的に探索する3日間のプログラムを設計しました。

  • 未来情報のインプット

  • 未来情報の影響の探索

  • 未来の世界観の創造

  • ペルソナとインサイトの設定

  • 未来の事業アイデアの発案

未来思考を知識のインプットで終わらせず、人や社会の課題を起点とした事業アイデアの発案までつなげることが、本プログラムの特徴です。

−2050年の「食に関わる未来」を考える3日間

ワークショップでは、「2050年、食に関わる社会・産業・人々に対し、エスビー食品は何ができるだろうか?」という問いを中心に議論を進めました。

事前説明会に加え、全3日間を通して13のワークを実施。未来情報のインプット、未来シナリオの作成、生活者のインサイト探索、事業アイデアの発案などを段階的に行いました。社会の変化と未来の生活者像を十分に検討して事業を考えることで、現在の市場ニーズだけに依存せず、長期的な視点からの発想を目指しました。

−DAY 0|未来を考える準備

本編に先立ち、ワークショップの目的や目指す成果、プログラムの全体像などを紹介する事前説明会を実施。「未来の現在地」をテーマに、気候変動、流通改革、健康長寿、オープンイノベーションなど、現在すでに現れ始めている未来の兆しを紹介し、遠い将来の話に見える変化が、すでに現在の社会や事業とつながっていることを知るセッションを設けました。
未来洞察を一部の専門家だけが扱うものにせず、参加者が自らの業務や関心と紐づけて考えられる土壌づくりが狙いです。

−DAY 1|未来情報を知り、変化の影響を探索

DAY1は、2050年頃までに起こりうる社会変化やメガトレンドを捉えることからスタート。

TDSでは、今回のテーマに合わせて、未来情報をまとめたオリジナルの「未来情報カード」を開発。社会(Social)・技術(Technological)・経済(Economic)・自然環境(Environmental)・政治(Political)の頭文字「STEEP」の観点から、食に関する変化を中心に整理しました。カードは「比較的起こる可能性が高い変化」と「不確実性は高いものの実現した際の影響が大きい変化」に分類。単純な未来予測ではなく、確実性とインパクトの異なる情報を組み合わせて考えられるよう設計しています。

参加者はカードと関連資料を読み込み、チーム内で気付きを共有したうえで、エスビー食品にとって特に重要だと考える未来情報を選定しました。その際、「一つの出来事に対して直接的に起こりうる変化だけでなく、連鎖して生まれる間接的な影響まで広げて考える」「STEEPに文化(Culture)を加えたSTEEP+Cの観点から、人々の価値観や行動原理の変化まで掘り下げて考える」など、未来における社会変化への解像度を高める工夫をしました。

−DAY 2|複数の未来の世界観を描く

DAY2では、DAY1で選定した未来情報をもとに、2050年に起こりうる複数の未来の世界観を描きました。

未来には、起こる可能性が高い変化もあれば、実現するか分からない変化もあります。そのため、ワークショップでは一つの未来を正解として予測するのではなく、重要な変化の進み方を軸に、異なる複数の未来を想定。そこから生まれたそれぞれの未来の世界観を具体化しました。

この手法は「ワールドビルディング」と呼ばれ、単に未来の出来事を並べるのではなく、社会、産業、生活、価値観などを相互に関連づけて世界観を構築することで、参加者間で未来のイメージを共有しやすくします。参加者が議論した内容やシナリオを可視化する際に、仮説を広げたり、言語化・可視化の際の補助ツールとして、生成AIも活用しました。

−DAY 3|未来の生活者から、事業アイデアを発想

DAY3は、描いた未来の世界に暮らす人物を具体的に想像し、そこから新たな事業の可能性を考えました。まず、未来シナリオに登場する人物の属性、生活環境などのペルソナを設定。その人物の行動から、日常で感じる不満やニーズなどを抽出し、表面的な要望だけではなく、背景にある本質的なインサイトを言語化。抽象的な未来社会を一人の人物の視点に落とし込んで考えます。

加えて、そのインサイトを起点に、エスビー食品の知見や資産をどのように活かせるかを検討。未来の事業アイデアへと展開しました。最後は、未来の設定から事業アイデアに至るまでの思考プロセスの発表を行い、異なる視点からの質問や意見を募りました。

−未来洞察力の向上し、新規事業につなげる

今回のワークショップでは、未来に関する知識を増やすだけではなく、未来の変化を多角的に捉え、複数の可能性を描き、そこに暮らす人々の課題から事業を考える一連の思考プロセスを体験しました。単発的なアイデアではなく、段階を踏んで未来を探索することで、現在の延長線上だけでは見つけにくい事業機会を探れるのが特徴です。

また、一部の担当者が自社の未来を考えるのではなく、社員が自ら社会の変化を捉え、新たな価値や可能性を探索する力を養うというエスビー食品様の考えや姿勢が、今回の取り組みの大きな特徴といえます。


INTERVIEW|未来を考える力を、組織の文化へ

未来思考ワークショップは、2050年という長期的な視点から未来を捉え、その中で生まれる事業の可能性を考えるプログラムです。この取り組みでは、未来を考える視点を社員一人ひとりが持ち、それが日々の仕事や新たな事業づくり、さらには組織の文化へと広がっていくことを目指しました。

後半は、エスビー食品株式会社 食文化未来研究所のみなさまとTDSのプロジェクトメンバーに対して、プロジェクトの振り返りインタビューを行った様子を紹介します。未来思考に取り組む狙いや、ワークショップを通じて生まれた変化や手応えなど、みなさまの参考になれば幸いです。

<エスビー食品株式会社> ※写真左から

山崎様:食文化未来研究所の統括
齊藤様:プロジェクトの企画・推進
青木様:プロジェクトの企画・推進
神谷様:プロジェクトの企画・推進

<株式会社テイ・デイ・エス> ※写真左から

池野:プログラム設計・ファシリテーション担当
田村:プログラム設計・ファシリテーション担当
坂井:プログラム設計・サブファシリテーション担当

「未来を考える」だけでは、自分ごとになりにくい

━最初に、未来思考ワークショップを始めた背景を教えてください。

<齊藤様>
背景として、食を取り巻く環境や業界の変化があります。気候変動や食料安全保障、健康意識の高まりに加え、AIやフードテックの進化による異業種からの参入もあり、これまでの食品メーカーとは異なるプレイヤーも競争相手になりつつあります。

こうした変化に対応するため、食文化未来研究所は2021年に立ち上がり、未来に起こり得る事象を探索して会社に還元したり、スタートアップとつながったり、海外のトレンドを社内に共有したりといった活動を行ってきました。しかし、未来を探索し、社内へ還元する活動を続ける中で、私たちと社内との間に少し温度差を感じるようになりました。

そこで、2024年に「未来像策定プログラム」という未来のエスビー食品のビジョンや企業理念を考えるプロジェクトを実施しました。そのプロジェクトの振り返りのなかで、「テーマが大きすぎると自分たちの実感につながりにくい」などの声もあり、今回は、「2050年の自分たちの事業」を考えることにしました。ビジョンではなく、事業であれば、少しでも社員が自分ごととして捉えやすいのではないかという考えからです。

<山崎様>
食文化未来研究所は、「知の探索」のために創設しました。既存事業を磨き上げることは大切ですが、それだけではいずれ成長に限界が来ると考えています。例えば「次にどんな商品をつくるか」ではなく、「未来の社会で食はどんな価値を持つのか」と問い直してみる。

未来思考は、無意識の思い込みを外し、問いや可能性を捉え直す力です。目の前だけ見ていると方向を見失い、手戻りが生じることもあります。複数の未来を見据えながら進めば、多少の方向修正があったとしても、結果的には早くゴールに近づける。そんな力を多くの社員に身につけてもらいたいと考えています。

未来思考が「自分たちにも考えられる」に変わった

━数ある候補からTDSをパートナーに選んでいただいた理由を教えてください。

<齊藤様>
理由は、大きく「わかりやすさ」と「信頼性」です。以前のプロジェクトで、参加者に難しい取り組みを課してしまったことから、今回は「未来を考えるうえで参加者のハードルをなるべく下げたい」という旨をお伝えしていました。

そこで、TDSさんからいただいた提案が「未来情報カード」を使ったワークショップです。未来を考えることに慣れていない社員でも、未来の変化がわかりやすく描かれたカードを手に取れば、しっかりと議論ができそうだと感じました。私たちに刺さった点です。

それから、打ち合わせを通して、伝えたことへの反応の速さや丁寧さなど、真摯に向き合う姿勢が信頼につながりました。この点は、依頼後も同じ熱量でプロジェクトを進めていただいていて、良い意味でギャップがありません。毎回の定例でお話した内容に対して、さらにリサーチ等を加えて1を10にして返していただいている印象です。

<池野>
ありがとうございます。とても光栄です。当初、私たちも、参加者のみなさん自身に未来についてリサーチをしていただく案を考えていました。ただディスカッションを重ねるなかで、やはり参加者の負荷がネックだと感じて、あらかじめ予測されているメガトレンドを記載したカードを起点に、未来洞察をしてもらう方法に切り替えました。

TDSは、ワークショップの設計だけでなく、複雑な情報を整理してわかりやすくデザインするのが得意な会社なので、早速、カードのプロトタイプ版を作って、提案段階からみなさんと、実際にカードを手に取って議論ができたことが、今回の進め方に合っていたのだと思います。

未来を考えることへのハードルが下がっていく

━実際にワークショップを実施した感想や手応えを教えてください。

<青木様>
最初は、私たち運営側にも不安がありました。社内に向けて「未来思考ワークショップをやります」と伝えてはいるものの、参加者に有意義な時間を届けられるのかという不安です。ですが、実際にワークショップが始まると、参加者が行き詰まっていればファシリテーターが「こういう考え方はどうですか」と問いを投げかけてくれる。答えではなく、考えるための気づきを与えてくれている場面をたくさん見かけて、安心しました。

今回、2050年の未来を見据えて「その場に自分が立ったときに何を考えるのか」を想像することで、人の立場に立った視点で考える力が養えたと思っています。それは所属部門での通常業務にも活かせるはずですし、多くの学びやスキルが身に付くワークショップになっていると感じています。回を重ねるごとに、どんどんアップデートされているところも、運営側として非常に嬉しい点ですね。

<神谷様>
私は、当初の参加者としての感想になります。当時は、営業職として普段からどうしても目の前の売上や利益を中心に考えていましたが、ワークショップを通して、新たな中長期の視点をもつことや、未来を考えて行動する必要があることに気付きました。

それと、他部門の社員と共に未来を考えるという体験に大きな意味があったと思っています。同じ会社でも、他部門の社員と深く話をする機会は意外と少ないものです。「自社にこんな考えを持つ人がいたのか」という発見もありましたし、会社の未来を考える社員が増えて、つながって、新たな会社の文化が生まれるような場として、とても意味があったと思います。

<齊藤様>
私が何より印象的だったのは、参加者がみんな楽しそうに未来の話をしていたことです。当初、急に未来を考えろと言われても難しいのではないかと考えていました。ですが、蓋を開けてみると、みんな笑顔で活発に議論をしていて、未来を考えることは、思っているほど難しくないと感じてもらえたはずです。

それと、参加者アンケートの中に「既存部門に戻って、未来思考ワークショップで得た学びを会社に還元したい」という感想がありました。私はこの感想に尽きると思っていて、「会社をどう動かしていこう」とか「どうやって会社に未来思考を取り入れていこう」と思ってもらえたことがとても嬉しかったです。

「答え」ではなく、考えたくなる「問い」をつくる

━活発な議論が起きたようですが、ファシリテーションで意識したことは何ですか。

<田村>
ワークショップでは、ファシリテーターがいつも問いの答えを持っているわけではなく、私たちも参加者のみなさんと一緒に考えています。実際、みなさんの発言から学ばせていただくことが多いですし、何かを教えているのではなく、お互いの視点を持ち寄って未来を広げていくような役割を心がけています。

今回、印象的だったのは、「ディストピアを考えてみましょう」と投げかけたときに、みなさんの議論が一気に盛り上がったタイミングがありました。未来を考えようとすると、どうしても「正しい未来」や「明るい未来」を考えようと構えがちですが、案外、ネガティブなことの方が想像しやすい場合もあります。少し違う角度から問いを投げて、既存の枠を外れて自由に想像してもらえるよう心がけています。

<坂井>
私が意識していたのは、「自分の答えを言わないこと」です。ワークショップをしていると、「自分だったらこう考えるな」「これを伝えたい」と思う瞬間がたくさんあります。でも、それをそのまま伝えてしまうと参加者が考える機会を奪いかねません。

なので、自分の意見は伝えず、できるだけ問いに変換してみなさんに伝えるように意識しています。参加者自身の中から答えが出てくるきっかけをつくるのが、ファシリテーターの役割だと考えています。

ツールを未来を実感する「入口」に

━特に印象に残ったプログラムやツールを教えてください。

<青木様>
私はやはり「未来情報カード」が印象に残っていますね。手元でカードをめくりながら、未来を俯瞰して見られる体験がとてもよかったです。社内でも「ちょっと見せて」「貸して」と言われることもあり、ワークショップだけで終わらず、以降も、未来について話すための道具として有効だと思います。カードのデザインも見やすく設計されているので、難しいテーマでも頭に入りやすい仕様になっています。

それと、ワークショップの中で生成AIを使いましたが、初期の頃はまだ社内でも使い慣れている人が少なくて、「今後は、こういう技術も活用していかなければいけないんだな」と感じました。

<神谷様>
私も同じく「未来情報カード」が最も印象的でした。生成AIの話でいうと、私はワークショップで初めてCopilot※を使いました。未来の人物像を考えるプロンプトを入れたところ、想像以上に詳細なものが出てきて驚きました。実際に生成AIを触ってみて、未来情報カードで読んだ未来が、一気に近づいてきたように感じました。

<齊藤様>
私も二人とほぼ同じですが、反省点を挙げると、AIに頼りすぎてしまった感がありました。技術として知ったり、進行上の手段としてはとても優秀ですが、参加者自身が、自分自身で未来を深く考える機会を奪う面もあったのではないかと感じました。そこはワークショップの回を重ねるなかで、AIを使いながらも、自分たち自身の頭を使って考える方向で、継続的にアップデートしているところです。

<池野>
ありがとうございます。未来を考えてもらうワークショップとして、「驚くような未来が既に始まっている」ということを実感していただきたくて、積極的に生成AIを取り入れた設計にしていました。未来情報カードのビジュアルについても生成AIをかなり活用して作っています。

念のため、カードについて補足をすると、今回、使用したカードの記載内容については、国・公的機関や国内外のシンクタンクなど、一定の信頼性がある機関が発信する情報のみを採用しました。未来を考える以上、必ずこうなるという正解はないのですが、情報ソースや情報の取捨選択はアウトプットに大きく影響するため、慎重に検討したうえで作成しています。

※Copilot:文章作成・要約・検索・資料作成などの業務を支援する、MicrosoftのAIアシスタント

デジタルもアナログもその場に合わせて方法を選ぶ

━ワークショップには、アナログとデジタルの両方を活用されたようですね。

<田村>
デジタルホワイトボードのMiro※だと、付箋が剥がれたり、文字が読みにくいという心配がなく、みんなで同時にアイデアを出しやすかったり、思考のプロセスをそのまま残して後から議論を振り返りやすいというメリットがあります。

ただ、議論が盛り上がった際には、立ち上がって、その場で模造紙に書いた方が流れを止めない場合もあります。現在、設計中の次のワークショップでは、デジタルやアナログを問わず、参加者がより考えたり、議論をしやすい場を設計できるよう再検討しています。

<坂井>
当初は、Miroの操作に戸惑う方もいましたが、最後にはみなさん積極的に活用されていましたね。こうした、これまで使ったことのない新しいツールに触れ、活用してみることも、今後の時代に必要な体験の一つだと考えるようになりました。

運営側が伝えたいことを一方的に伝えるだけでなく、参加者と一緒に考え、コミュニケーションを重ねながらアップデートしていけることが、ワークショップにはたくさんあります。エスビー食品さんと一緒に作り上げている感覚です。

※Miro:複数人でアイデアや情報をオンライン上のホワイトボードに整理・共有できるコラボレーションツール

「未来を見る視点」が広がり始めた

━取り組みを続ける中で、参加者や社内に何か変化は生まれましたか。

<齊藤様>
先日、社内で別で実施している「事業創造ワークショップ」に参加したんですが、「未来思考ワークショップ」の参加者とたまたま同じチームになりました。その方が、メガトレンドや未来の社会情勢を踏まえながら、新しい事業について発言している姿を見て、今回のワークショップで得た未来思考が活かされているなと感じました。

<神谷様>
私自身がこのワークショップに参加した後、希望を出して、食文化未来研究所へ異動しました。ある意味、参加者の意識の変化を一番よく表しているかもしれません(笑)。

未来思考ワークショップに参加したメンバーの一部は、先ほど齊藤が話した「事業創造ワークショップ」にも参加しています。個別の取り組みで終わらせず両方に参加することで、それぞれの取り組みがつながって、未来を考える人が社内に少しずつ増えている実感があります。

<齊藤様>
影響でいうと、運営をしている私たち食文化未来研究所の見られ方がだいぶ変わりました。以前は、社内から見てもかなりクローズドな組織で、「何をやっている部門なんだろう」と思われていたはずです。

未来思考ワークショップを実施して、その内容を社内イントラネットで発信するようになってからは、ポジティブな意味で、「食文化未来研究所がまた何かやっているね」と言ってもらえるようになりました。活動を2年間続けてきたことで認知もされ、以前よりオープンな部門として、社内に理解が広がったと感じています。

<青木様>
社内では本当に「謎の部門」と思われていたんですよ(笑)。でも、ワークショップ開催にあたり、ポスターの掲示やデジタルサイネージの活用など、社内に積極的に発信をしました。「うちの会社でも新しい取り組みをやっているんだね」と良い反応をしてくれる社員が増えましたし、説明会の参加者も増え続けています。ワークショップそのものだけでなく、社内のコミュニケーション機会が増えたことも大きな成果だと思っています。

それと、初回のワークショップには、現社長もコメンテーターとして参加していたのですが、回を重ねるごとに経営層への理解の広がりも感じます。役員から未来情報カードを貸してほしいという話があり、その後の中長期アクションに「未来思考」という言葉が書かれていました。未来情報カードとの因果関係は分かりませんが、会社として未来思考が着実に浸透していると感じています。

次の100年に向けて「未来を考える余白」がある会社へ

━未来を考える力が広がった先、エスビー食品はどんな会社になっていたいですか。

<齊藤様>
「未来のことを考える余裕がある会社」になりたいと考えています。日々の仕事に追われていると、どうしても目先のことばかりで、未来のことを考える余力がなくなります。でも、常に新しいことをキャッチし、「どうしてできないのか」ではなく、「どうしたらできるのか」「なぜやるのか」を考えられる人が増えれば、会社はもっと成長できると思います。

私たちの部門では、「どうしたらできるかな」という会話がよく生まれています。そのマインドを、会社全体にも広げたいですね。

<神谷様>
エスビー食品は2023年に100周年を迎えました。次の100年も会社が続いていくためには、目の前のことだけではなく、先を見据えて仕事をする文化が必要です。未来を考えるということには、ワクワクする力があります。未来を考えてワクワクして、イキイキと働く社員が増えている会社にしたいですね。そのきっかけとして、このワークショップを続けていければと思っています。

<青木様>
私は、エスビー食品の社員はとても真面目だと思っています。目の前にある課題に全力で向き合って、一つずつ解決してきた。その積み重ねで100年続いてきた会社です。過去も現在も、もちろん大切ですが、その上で、さらに未来を見て「では、自分たちはどうしていきたいのか」と考えられる社員が増えてほしいと思っています。

会社には「主体性」という言葉が根付いています。目の前の仕事だけではなく、自分自身のWILLを持って未来を見ている人は、きっと希望を持って仕事をしていると思うんです。そういう人を増やしていくことができれば、もっといい会社にできると信じています。

<山崎様>
未来思考の獲得は、企業風土を変えていくスタートだと思っています。未来思考は、未来を考えるだけでなく、不確実な変化にも前向きに向き合うための思考の土台です。目の前の仕事に追われるのではなく、「こんな未来をつくりたい」と自ら描くことで、仕事への取り組み方が変わるはずです。

そんな姿勢が研究開発から営業、経営判断まで広がり、挑戦を楽しむ企業風土につながってほしいと思っています。エスビー食品は、創業初期より新しい食文化を生み出し続けてきた会社です。そのDNAを、アップデートしてこれからのグローバルな未来へとつなげていきたいと思っています。

 

未来を考えることから、新しい一歩が始まる

━未来思考や新規事業づくりを検討している企業へメッセージをお願いします。

<齊藤様>
未来思考は新規事業をつくるためだけのものではないと思っています。未来を考えていると、スタートアップとの連携など、いろいろな選択肢が見えてくる。何か新しいことを始めたいとき、いきなり制度や仕組みからつくるのではなく、まず「自分たちの未来はどうなっているだろう」と考えるところから始めてみるのも良いと思います。

<神谷様>
未来を考えるとワクワクします。ワクワクして働く人が増えることは、会社にとってプラスだと思います。未来を真剣に考えると、これまでとは違った視点を持てるはずです。もし迷っているのであれば、まずはやってみてほしいですね。

<青木様>
私自身、このワークショップを通して、いろいろな感情に出会いました。楽しいだけではなく、難しくて悩んだり、「自分はこんなことも知らなかったんだ」と落ち込んだり、他部門の社員と仲間意識を持って一緒に考えたりしました。

普段の業務だけでは、なかなか経験できないことです。力を合わせていろいろな立場から未来を考えることで、視野も視座も広がります。まずは楽しみながら一歩踏み込んでみてほしいですね。

━本日はありがとうございました。

※記事への記載内容はプロジェクト時点の情報です。
※本記事に記載する未来シナリオおよび事業アイデアは、ワークショップにおける仮説的検討内容であり、エスビー食品の事業計画や経営方針を示すものではありません。

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