

コアバリューを実践につなげる組織変革プログラムを伴走支援|オリンパスメディカルシステムズ株式会社さま
#人材育成
オリンパスメディカルシステムズ株式会社 さま
事業変革に伴う新たな経営理念の浸透と組織変革の推進を目的に実施された「チャレンジの砂場(通称:砂チャレ)」の取り組みにおいて、ハイパーアイランドはパートナーとして参画。デザイン思考やAI活用に関するワークショップの提供、プログラム設計・運営に対するコンサルティング、ならびに各チームへのメンタリング(壁打ち)を通じて、実践的な学びとプロジェクト推進の支援を行いました。
| 対応内容 | Hyper Island Japan 企業向け人材開発プログラム(ワークショップ/コンサルティング/メンタリング支援) |
|---|---|
| 期間 | 2024年1月〜2026年3月 |
内視鏡をはじめとする医療機器を手がけるオリンパスメディカルシステムズ株式会社では、オリンパスグループ全体の事業構造の転換に伴い、新たに策定された経営理念(存在意義・コアバリュー)を現場の思考や行動に接続していくことが重要なテーマとなっていました。
特に、一部の部門においては、組織再編や役割の変化により、求められるスキルやキャリアのあり方が大きく変わる中で、社員の意識やモチベーションの再構築が課題となっていました。
こうした背景のもと立ち上げられたのが、社員自らが課題設定から解決策の検討、実行構想までを担う実践型プログラム「チャレンジの砂場(通称:砂チャレ)」を推進する取り組みです。本取り組みでは、参加メンバーが複数のテーマに分かれ、組織課題に向き合いながら主体的にプロジェクトを推進。実践を通じてコアバリューを深く理解し、行動として体現していく場として設計されています。
その中でハイパーアイランドは、デザイン思考やファシリテーション、AI活用に関するワークショップの提供に加え、プログラム設計・運営に対するコンサルティング、さらには各チームへの壁打ち・メンタリングを通じて伴走支援を行いました。
今回、「砂チャレ」の運営に携わったメンバーのうち、谷氏、石金氏、手島氏にお話を伺いました。インタビューを通じて、取り組みの背景や狙い、実際のプロセス、そして現場にどのような変化が生まれたのかを紐解いていきます。
▼オリンパスメディカルシステムズ株式会社
谷 憲氏(写真右)
マネージャー
技術開発センター 組み込みソフトウェア開発
石金 伸一郎氏(写真左から3番目)
課長代理
技術開発センター 組み込みソフトウェア開発 組み込みソフトウェアプランニング
五味 卓也氏(写真左)
技術開発センター 組み込みソフトウェア開発 組み込みソフトウェアプランニング
手島 泰介氏(写真右から3番目)
技術開発センター 組み込みソフトウェア開発 組み込みソフトウェアプランニング
▼Hyper Island Japan
森 杏奈(写真中央)
萩原 幸一(写真左から2番目)
波多 寛(写真右から2番目)
―まずは、皆様のご担当領域など、お一人ずつ自己紹介をお願いします。
谷氏:
私は技術開発センターで、医療機器製品開発における組み込みソフトウェアの部署に所属して、現在はそのマネージャーを務めています。
業務としては、製品開発そのものに加えて、外部パートナーさんとの戦略や連携の部分も担当しています。いわゆるソフト開発だけにとどまらず、医療に対してソフトウェアの視点から新しい価値を探索していくような、幅広い取り組みをしている部署になります。さらに、ソフトウェア人材に求められるユーザー理解や製品理解といったところに加えて、主にビジネススキルを中心としたケイパビリティ向上のための活動もしています。
石金氏:
谷のグループで一緒に仕事をしており、現在は課長代理を務めています。
主に取り組んでいることは大きく三つあります。
一つ目は、チャレンジのしやすさや心理的安全性、組織内の活力やコミュニケーションといった、組織の健康度を高めるための活動です。二つ目は、本部内の人材育成に特化した役割を担うことで、育成の仕組みづくりや推進に関わっています。三つ目は、ユーザー理解の促進です。医療機器に関わって間もないメンバーも多いため、患者さんや医師といった医療に関わるステークホルダーの視点に立ち、製品や現場への理解を深めていく取り組みを推進しています。
手島氏:
現在は、組織の健康度を高める取り組みや、個人のケイパビリティ向上に関わる施策に携わっています。また、部門内のナレッジマネジメントといった領域にも関わっています。
以前、谷が話していた言葉で印象に残っているものが、「組織の未来をつくる仕事に携わる」という考え方です。まさにそうした領域に関わらせてもらっていると感じていて、ワクワクするような組織をつくっていきたいという思いがあります。
個人としても成長しながら、その成果を組織に還元していく。そうした循環を生み出していければと考えています。
谷氏:
事業構造の大きな転換に伴い、当時は会社全体として変革を進めているタイミングでした。特に医療領域へのシフトに加え、コアバリューの見直しも行われるなど、組織としての方向性が大きく変わりつつある状況でした。
一方で、そうした変化はトップダウンで示されていたものの、現場では十分に咀嚼しきれていない部分がありました。日々の業務を進める中で、新たな価値観や視点を自分の行動に落とし込むことが難しく、「理解しているつもりでも、実際の行動にはつながらない」という課題感があったと思います。
また、コアバリューの変化に対しても、社員一人ひとりが自分事として捉えきれていない状態がありました。こうした状況の中で、「どのようにすればコアバリューを現場の行動へと結びつけられるのか」という問いが生まれていきました。
「砂チャレ」とは?
―そうした中で生まれた「砂チャレ」という取り組みについて教えてください。
谷氏:
先ほどのような課題を受けて、まず取り組んだのが、コアバリューに対する「理解」を広げることでした。個人で考えるだけでなく、他者との対話を通じて、「他の人はこういう視点で捉えているのか」と気づき合う場を設計することで、多様な解釈を共有しながら、自分自身の理解を深めていくことを狙いました。
一方で、こうした取り組みは一過性のイベントで終わってしまうリスクもあります。そのため、日常の業務の中で継続的にコアバリューを意識できるよう、週に一度、自身の行動を振り返る時間を設けたり、メンバー同士で感謝を伝え合う仕組みを取り入れたりと、習慣化に向けた工夫も行いました。
その上で、理解した内容を実際の行動として体現する場として位置づけたのが、「チャレンジの砂場(=砂チャレ)」です。メンバーが自ら課題を設定し、解決策の検討から実行構想までを主体的に進めることで、コアバリューを実践の中で動かしていく機会を創出しました。
手島氏:
砂チャレでは、各チームが自分たちで課題を設定し、その解決に向けた取り組みを進めていきます。単にアイデアを出して終わるのではなく、「なぜその課題に取り組むのか」「どのような解決策を考えるのか」「それによってどのような価値を生み出すのか」といった点まで整理した上で、PoC(概念実証)まで行うなど、実行フェーズまで見据えて検討していくのが特徴です。
実際の活動では、参加者がコアバリューに紐づいた複数のテーマの中から関心のあるものを選び、それに基づいた課題を設定します。業務改善やコミュニケーションの活性化、将来に向けた探索的なテーマなど、扱う領域は多岐にわたります。
各チームで取り組んだ成果を報告会として発表する機会も年に一回設けており、取り組みの背景や狙い、成果のイメージなどを他のメンバーに共有することで、学びを組織全体に広げていく仕組みになっています。
石金氏:
最初はアワードのような形で実施していたのですが、進めていく中で「優劣をつけることが目的ではない」という議論が出てきました。
どうしても、見栄えが良かったり、多くの人に伝わりやすいテーマのほうが評価されやすくなってしまう側面があると思います。ただ、実際に取り組んでいるメンバーは、それぞれ自分の現場を良くしたい、ここを変えたいという思いから活動しているので、表彰されること自体が目的ではありません。
そういった点を踏まえて、優劣を競う形からは切り離し、今は各チームが取り組みの経過や考え方を共有する場に変えています。
石金氏:
新たなチャレンジを生み出していこうとする中で、これまで以上に外部の知見やネットワークを取り入れていく必要性を感じていました。社内だけで完結するのではなく、さまざまな視点や考え方に触れることで、より良い取り組みにつなげていきたいという思いがありました。
そうした背景もあり、当時は研修サービスを探すというよりも、まずは同じ領域に取り組んでいる外部の企業や専門家とつながりを持ちたいという意識で情報収集をしていました。その中で展示会にも足を運び、さまざまな企業と接点を持つ中でハイパーアイランドを知りました。
展示会では、多くの企業があらかじめ用意されたパッケージを説明する形での提案が中心だったのに対し、ハイパーアイランドは、そのプログラムがどのような背景や思想のもとに設計されているのかまで丁寧に説明されていた点が印象的でした。
グローバルで培われた実践的な学習メソッドと、日本のビジネス環境に合わせたプログラム設計を両立されている点に大きな魅力を感じ、ぜひ一度詳しく話を聞いてみたいと思い、ご相談させていただいたのが最初のきっかけです。
谷氏:
単に「こういうサービスを提供しています」という話にとどまらず、「なぜこの手法なのか」「どのような意味があるのか」といった本質的な部分まで踏み込んで話されていたことで、実践に基づいたリアリティや熱量を感じました。
当時、コアバリューの見直しが進む中で、私自身はその内容がビジネススキルに紐づくものだと捉えていました。一方で現場を見ると、デザイン思考やファシリテーションといった、ソフトウェア開発を進めていく上でも重要となるビジネススキルを十分に備えている人材はまだ多くないという認識がありました。そうした背景から、まずはその部分からアプローチしていく必要があると考え、デザイン思考やファシリテーションといったテーマでのワークショップからお願いすることになりました。
―研修に加えて、砂チャレの運営支援や各グループへのコンサルティングとしても伴走させていただきました。そうした取り組みにおいてもハイパーアイランドを選んでいただいた理由について教えてください。
谷氏:
他にもいくつかアイデアを持っている企業はありましたが、最終的な決め手になったのは、課題の捉え方の深さと、そこから一歩先に進めていく推進力だったと思います。
実際に砂チャレの取り組みを進めていく中で、自分たちだけでは発想や検討のレベルをもう一段引き上げることは難しいのではないかという感覚がありました。だからこそ、外部の視点を取り入れることで、より質の高いアウトプットにつなげたいと考えていました。
その点、これまで研修をご一緒する中で、議論の引き出し方や思考の導き方、そしてスピード感を持って前に進めていく力に強みを感じており、各グループへの伴走支援(壁打ち)についても安心してお願いできると感じたことが大きかったです。
また、今回の取り組みは私たちにとっても初めての試みで、あらかじめ決まった形があるわけではなく、進めながら模索していく必要がありました。そうした状況の中でご相談した際に、「面白そうですね」「一緒にやってみましょう」と前向きに受け止めていただけたことも印象に残っています。
―砂チャレの運営において、壁打ちのように対話を重ねながら進めていく形式を選ばれた背景や、その形式の良さについて教えてください。
谷氏:
マネージャーの立場から見ると、この形式を選んで良かったと感じている点の一つは、運営メンバーのスキルアップにつながったことです。
長期間の取り組みの中では、どうしてもトラブルや課題が発生しますが、その都度、壁打ちのような形で「こういう対応の仕方もある」といった複数の視点やアイデアをもらえたことが大きかったと感じています。それをそのまま取り入れるというよりも、自分たちの状況に合わせて考え、判断していくプロセス自体が学びにつながっていました。
また、ハイパーアイランドはさまざまな企業と取り組まれてきた中での引き出しの多さも印象的でした。社内だけでは得られない視点に触れることで、意思決定の幅が広がり、結果として運営メンバー自身の成長にもつながったと感じています。
―実際にハイパーアイランドの関わりや印象はいかがでしたか?
谷氏:
印象的だったのは、成果報告会などでいただくフィードバックの質でした。単に評価をするのではなく、「ここまで進んでいるのであれば、次はこういうアクションが考えられますね」といった形で、次の一歩が具体的にイメージできるようなコメントをいただくことが多かったんです。
そのため、「こういう見方もあるのか」と新たな視点に気づかされたり、「次はこう進めていいんだ」と判断の後押しになったりと、受け手が次の行動を起こしやすくなるフィードバックになっていたと感じています。
単なる振り返りにとどまらず、その先のアクションまで見据えた関わり方だった点は、大きな特徴だったと思います。
石金氏:
コンサルティングの面で印象的だったのは、複数の方からそれぞれ異なる視点でアドバイスをいただけたことです。
一対一での相談とは異なり、それぞれの専門性やバックグラウンドに基づいた多様な観点から意見をいただけるため、自分たちだけでは気づけなかった視点に触れる機会が多くありました。
手島氏:
いわゆる理想論と現場の実情とのギャップをうまくすり合わせていただけた点もよかったです。考え方としては理解できても、現場ではさまざまな制約があり、なかなか実行に移せないという場面は多くありました。
そうした中で、「それは難しいですよね」と受け止めつつも、別のやり方や視点を提示していただき、「こういう進め方もできるのではないか」といった具体的なアイデアをもらえたことで、現実的な一歩に落とし込むことができました。
第三者としての視点や外部の知見を取り入れながら、現場に寄り添って一緒に進めていくような関わり方だった点は、大きな価値だったと感じています。
谷氏:
一般的にコンサルティングというと、外部の立場から課題を指摘し解決提案するような関わり方をイメージすることが多いと思いますが、今回の取り組みではそういった関係性ではありませんでした。
一方的に支援を受けるのではなく、同じ目線で一緒に考え、やり取りを重ねながら進めていく感覚に近かったと思います。私たち自身も「お客様」という立場にとどまるのではなく、共に取り組む当事者として関わっていたという印象です。
砂チャレを通じて見えてきた変化と学び
―砂チャレの運営を進めていく中で、大変だったことやうまくいったことなど、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
谷氏:
印象に残っている出来事として、コアバリューの捉え方について、運営メンバーの間で議論になったことがありました。
「これは経営理念とどう違うのか」「何を指しているのか」といった点について、メンバーそれぞれの理解や捉え方にばらつきがあり、同じ言葉を使っていても前提が揃っていない状態だったのです。運営側として取り組みを進めようとしている中で、そもそも自分たち自身が十分に腹落ちできていないのではないか、という課題に直面しました。
そこで、メンバー同士で改めて自分たちの考えや思いを言語化し合ったり、調べたりしながら、コアバリューを自分たちなりに捉え直していくプロセスが生まれていきました。
大変ではありましたが、この経験を通じて、「まずは自分たちが理解することが重要だ」という認識が深まり、その後の取り組みの土台になったと感じています。
石金氏:
私が印象的だったのは、各チームの取り組み方や雰囲気が大きく変わってきたことです。
3年間継続していく中で、初期の頃は「やらされている」という感覚も少なからずあり、運営側が依頼をして動いてもらうような進め方が中心でした。しかし、取り組みを重ねていく中で、次第にメンバーの意識が変わっていきました。
3年目になる頃には、運営から働きかけなくても、各チームが自発的に他部署へ声をかけたり、「まずは試してみたい」と自ら動いたりする場面が増えていきました。
「クイックアンドダーティーでいいから、まずはやってみよう」「スモールスタートでいいから試そう」といった考え方も浸透し、実際に複数回PoC(概念実証)に取り組むチームも出てきています。
こうした変化を通じて、フットワーク軽く試行錯誤できるチームが増えてきたことは、大きな成果だと感じています。
―今少し触れられていましたが、参加者の皆さんや組織に、具体的にどのような変化が見られましたか。
石金氏:
定量的な面でも、いくつかの指標に変化が見られています。全社で継続的に実施しているサーベイにおいて、「チャレンジしやすい風土」と回答した割合は、取り組み開始当初から21%上昇しました。また、「組織に活力がある」と感じている割合は19%上昇し、「上司とのコミュニケーション」については24%も上昇するなど、大きな改善が見られています。
もちろん、この取り組みだけが寄与したわけではないかもしれませんが、いずれの項目も他の本部と比較して伸び幅が大きく、本取り組みの効果の一つとして表れてきていると感じています。
谷氏:
もちろん、こうした取り組みの価値は、必ずしも数字だけで測れるものではないとも考えています。活動を続けていくことで、組織の雰囲気や心理的な安全性が徐々に高まり、気づけば「いつの間にか変わっていた」と感じられる状態に近づいていくのではないかと思います。
実際、当初は多くのメンバーが参加する形でスタートしましたが、その後は任意参加へと移行しました。その結果、参加人数自体は絞られましたが、本当に必要だと感じているメンバーが主体的に関わるようになり、取り組みの質や熱量はむしろ高まっていきました。
まずはこうしたコアとなるメンバーが生まれ、その動きが周囲に波及していくことが重要だと考えています。
―あらためて、この砂チャレの取り組みを振り返ってみていかがですか。
谷氏:
医療機器の開発は、製品として世に出るまでに3年から5年ほどかかることも多く、自分たちの取り組みがすぐに結果として返ってくるわけではありません。そのため、日々の業務の中では、なかなか手応えを感じにくい側面もあります。
そうした中で、砂チャレのように自分たちで課題を設定し、検討から実行までを短いサイクルで回せる取り組みは、貴重な機会になっていると感じています。実際に、こうした経験を積んでいるメンバーとそうでないメンバーとでは、視野や取り組み方にも違いが生まれていると感じています。
また、エンジニアはもともとものづくりが好きで、より上流から関わりたい、全体を通して携わりたいという思いを持っている人も多いのですが、実際の業務では一部の工程に限定されることも少なくありません。そうした中で、少人数のチームでサービスを形にしていく経験ができることは、大きなやりがいや成長実感につながっているようです。
こうした挑戦の機会を提供し、一歩踏み出す後押しができたことは、この取り組みの大きな意義の一つだと感じています。
石金氏:
この取り組みを通じて感じているのは、やはり「挑戦できる場」があることの重要性です。組織として「チャレンジしよう」というメッセージはよく発信されますが、実際の業務の中では、法規制や品質、リスク管理などの観点から、自由に試すことが難しい場面も多くあります。
そうした中で、砂チャレのように「まずは試してみる」「小さく回してみる」といったことが許容される場があることで、メンバーが一歩踏み出しやすくなっていると感じています。実際に、こうした環境があるからこそ挑戦できたという声も聞かれています。
また、最低限の枠組みだけを設けた上で、あとは各チームに任せることで、のびのびと取り組めている点も大きいと感じています。
手島氏:
一般的には「失敗してもいい」と言いながらも、実際には失敗すると厳しく指摘される場面も多いと思います。
その点、砂チャレの場では失敗も含めて受け止められる雰囲気があり、取り組みを進める中での気づきや学びをポジティブに共有できる場になっていると感じています。成果報告の場においても、単に評価するだけではなく、前向きなフィードバックが得られる点は大きな特徴だと思います。
谷氏:
今回の取り組みを通じて、このような形で進めていくことで、実際にプロトタイプや新たなアイデアが生まれてくることは確認できました。
一方で、これを今後も運営側が継続的に支え続けていくべきかというと、そうではないと考えています。会社として必要な取り組みであるならば、一つの仕組みとして組織の中に取り込み、特定のメンバーに依存するのではなく、現場や各チームが主体的に活用していく形にしていくことが重要だと思っています。
上長やチームがそれぞれの文脈の中でこの取り組みの意味を捉え、自ら活用していくような状態になっていくことが、今後の理想的な姿だと考えます。
実際にその実現に向けて、今年の2月〜3月頃からは、砂チャレの取り組みを社内で水平展開していくための仕組み化にも着手しており、社内ホームページの整備やマニュアル作成など、次の展開に向けた具体的なアクションにも取り組んでいます。
石金氏:
こうした取り組みは、短期間で成果が見えるものではなく、ある程度の時間をかけて継続していくことで、少しずつ効果が現れてくるものだと感じています。そのため、継続すること自体に意味があり、その価値をしっかりと守りながら進めていくことが重要だと考えています。
その継続を実現していくためには、取り組みの重要性を周囲に理解してもらうことも欠かせません。実際に、成果共有のポスター掲示や上層部への発信といった働きかけを継続的に行い、社内における認識の浸透にも取り組んできました。
その結果、直近の成果報告会には社長が審査員として参加するなど、本取り組みは組織としても重要な活動として認識されるようになってきています。
こうした周囲の支えがあったからこそ、活動を継続し、ソフトウェア開発を本業としながらも新たなチャレンジに取り組み、成果を積み重ねてこられたことは一つの実績になっていると思います。
今後も、この取り組みの価値をより多くの人に理解してもらい、コアバリューの浸透にとどまらず、組織全体の成果につながる原動力として広げていけると良いと考えています。
手島氏:
大きな企業になり、関わる人数が増えていく中で、エンジニアはどうしても受け身になりがちだと感じています。特に、これまでのようにハードウェア中心ではなく、ソフトウェアが価値を生み出す時代に移行していく中で、自ら価値を考え、発信していく力がより重要になってきています。
一方で、実際の現場では、与えられた役割や工程の中で業務を遂行することが求められる場面も多く、自ら考えて挑戦する機会は限られがちです。そうした中で、砂チャレのような取り組みを通じて、自分たちで課題を設定し、試行錯誤しながら価値を形にしていく経験ができたことには大きな意味があると感じています。
こうした経験の積み重ねが、将来的なイノベーションにつながっていくのではないかと思っていますし、その一助となる取り組みになっていれば嬉しいですね。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
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