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2026年のデジタルマーケティングトレンド|成果を上げるマーケティング組織の共通点とは?

2026.09.03 更新

#Hyper Island#マーケティング

マーケティングやブランド戦略を専門とする米国のデジタル戦略エージェンシーであるFratzke Consultingが公開した「2026 Digital Marketing Trends Report」では、急速に変化するテクノロジーや市場環境のなかで、マーケティングチームがどのように成果を生み出しているのかを分析しています。戦略策定から実行、AI活用まで、成果を上げる組織の特徴と、今なお残る課題が整理されています。

なお本調査は、さまざまな業界・地域・企業形態に属する350人以上のマーケティングリーダーを対象に実施されています。回答企業は中堅〜大企業が中心で、B2B、B2C、両方の市場に展開する企業を幅広く含みます。
また、各組織のマーケティング成熟度を以下の5段階で分類しています。

・Laggard(遅滞)
・Emerging(発展途上)
・Competent(標準)
・Leader(先進)
・Advanced(高度)

本記事では、同レポートの内容をもとに、2026年のデジタルマーケティングにおける主要なトレンドを紹介します。

目次

    サマリー:意欲は高い。しかし、実行が追いついていない

    レポート全体を通して見えてくるのは、企業のマーケティング投資や成果への期待が高まる一方で、戦略を実行に移し、成果につなげる力には依然として差があるという実態です。特に、マーケティング成熟度の高い組織とそうでない組織との間で、実行力や成果の差が広がっています。

     

    予算と投資――投資パターンから見るマーケティング成熟度

    マーケティング投資は各チャネルで増加

    現在、多くのマーケティングチームは、自社の取り組みに自信を持っています。70%が自社を「Advanced」または「Competent」と評価し、93%がマーケティング専用の予算を確保していると回答しています。

     なかでも、特に投資増加率が高いのが次の3領域です。

    ・パフォーマンスマーケティング:77
    ・ソーシャルメディアマーケティング:77
    ・コンテンツマーケティング:76

    競争の激しいデジタル環境において、これらのチャネルは規模とスピードの両方を求める企業にとって、引き続き重要な手段となっています。

    成熟度の高いチームは、データと戦略にも投資

    ただし、「Advanced」や「Leader」に分類される組織は、異なる投資行動をとっています。

    成熟度の高いチームの80%以上が、実行チャネルだけでなく、データに基づく戦略立案を支える領域への投資も増やしています。

    具体的には、以下のような領域です。

    ・マーケティング分析・効果測定
    ・カスタマーエクスペリエンス(CX)戦略
    ・リサーチ・インサイト

    なぜ重要なのか

    多くのチームがファネル下部の施策、つまり成果に直結しやすい実行領域へ積極的に投資する一方で、「Advanced」や「Leader」の組織は、長期的な成功を支える機能にも多くのリソースを投入しています。

    リサーチ、分析、戦略に投資することで、成熟度の高い組織は、より賢く施策を実行し、意味のある差別化を図り、部門横断で連携するために必要な、社内の共通認識や計画基盤を整えています。

     マーケティング成熟度は、単なる自己評価のラベルではありません。どこにリソースを投入しているか、そして長期的な成長をどのように考えているかに表れるものです。

    戦略――明確さ・策定・自信のギャップ

    多くのチームが戦略を持っている。しかし、明確な戦略を持つチームは半数未満

    多くのマーケティングチームは「戦略がある」と回答していますが、その戦略を「非常に明確」と評価しているのは44%にとどまります。戦略の明確さは、組織内の足並みをそろえ、施策に集中し、実行につなげるために欠かせません。

    戦略の明確さとマーケティング成熟度は密接に関係している

    マーケティング成熟度が高くなるほど、戦略の明確さも高まります。

    Advanced」および「Leader」に分類される組織では、62%が自社の戦略を「非常に明確」と回答しています。一方、成熟度の低い組織では、その割合は24%にとどまっています。つまり、上位グループとそれ以外との間には38ポイントの差があります。

    この傾向は、さまざまなチャネルでも共通しています。成熟度の高いチームほど、ブランド戦略、CXEメールマーケティング、効果測定・分析、SEO、ソーシャルメディアなど、複数の領域で明確な戦略を持っていると回答しています。

    チャネル別に見ると、「非常に明確な戦略を持っている」と回答した割合は以下の通りです。

    ・カスタマーエクスペリエンス:成熟度の高い組織49%、低い組織21
    ・Eメールマーケティング:49%、28
    ・分析・効果測定:56%、24
    ・SEO49%、25
    ・ソーシャルメディア:62%、38

    ここで重要なのは、単に「戦略があるかどうか」ではありません。強い戦略は、効果的な計画立案、リソース配分、コミュニケーションの土台になります。

    戦略が明確でないと、たとえ十分な予算や人材があっても、組織内の認識がずれ、成果が安定しない可能性があります。

    明確な戦略をつくる要素

    戦略の明確さは、偶然生まれるものではありません。マーケティングリーダーに「組織で戦略を成功させるために、何が最も重要か」を尋ねたところ、4つの共通要素が浮かび上がりました。

    1.強いリーダーシップとビジョン:38%
    2.測定可能な成果と結びついた明確な目標:36%
    3.データとインサイトの活用:34%
    4.戦略そのものを効果的に伝えること:34%

    なぜ重要なのか

    多くの組織は「戦略がある」と回答していますが、実際には多くのマーケティングリーダーが、その戦略を十分に明確だとは感じていません。

    戦略が明確でなければ、あいまいさや一貫性のない成果につながる可能性があります。また、目標や行動がチーム全体で共有されていなければ、進捗を測定することも難しく、市場環境の変化に求められるスピードや柔軟性を持って動くこともできません。

    実行――高い実行力を持つチームの違い

    戦略が現実と交わる場所――トップチームを分けるのは実行力

    多くのマーケティングチームは戦略を持っていますが、実際に大きな成果につなげられているチームはそれほど多くありません。その差を生むのは、予算や人員だけではなく、業務を明確に進められる体制や仕組みです。

    高い成果を上げる組織ほど、チーム内の足並みをそろえ、明確なプロセスを定め、成果を追跡できています。つまり、実行そのものを強みとしているのです。

    実行力こそが本当の差別化要因

    多くのチームに戦略がある一方で、「非常にうまく」実行できていると答えたのは39%にとどまります。

    そして、マーケティング成熟度によって大きな差があります。

    ・Advanced/Leaderの92%が、「非常にうまく」または「ある程度うまく」実行できていると回答
    ・Emerging/Laggard/Competentでは57%にとどまる

     つまり、成果を上げる組織とそうでない組織を分ける大きなポイントが、戦略を実行する力への自信です。

     

    マーケティングチームの実行を妨げる要因

    レポートでは、主に4つの障壁が挙げられています。

    1.組織・業務運営上のギャップ
    多くのチームでは、組織内の連携や、戦略を行動につなげる明確なプロセスが不足しています。

    2.戦略の具体性不足
    戦略が明確に定義されていなければ、チームは自信を持って実行したり、一貫して動いたりすることができません。

    3.リソース不足
    人員、専門知識、予算が限られていると、たとえ戦略自体が優れていても実行が遅れる可能性があります。

    4.リーダーシップとの断絶
    トップダウンで策定された戦略が現場の納得や支持を得られていない場合、実行力や推進力が損なわれます。
     

    外部パートナーの役割

    実行上のギャップを埋めるため、多くのマーケティングチームが外部の専門家を活用しています。

    ・61%のチームが外部パートナーを利用
    ・そのうち87%が成果に満足している

     外部パートナーを活用する理由は、単に業務を外注するためだけではありません。

    主な理由として、

    ・質の高いクリエイティブや戦略を得るため:49%
    ・専門的な知識・スキルへアクセスするため:38%
    ・より迅速に実行するため:36%

    が挙げられています。

    成熟度の高い組織ほど、単に作業量を補うためではなく、戦略的な思考を支援し、実行の質を高められるパートナーを求める傾向があります。

    また、約60%のチームは、大規模な企業よりも中規模、ブティック型、小規模の代理店・コンサルティング会社を好むと回答しています。

    その理由として、小規模なパートナーのほうが柔軟性や集中力があり、密に連携しやすいためです。現代のマーケティングチームが求めているのは、単なる成果物ではなく、組織との整合性、インサイト、スピードだからだと説明されています。

    なぜ重要なのか

    実行は、戦略が本当に機能するかどうかが試される場です。そして同時に、勢いが失われやすい場所でもあります。

    平均的な組織と高い成果を上げる組織との違いは、何を計画するかだけではなく、マーケティング施策をどのように最後まで実行するかにあります。

    マーケティング成熟度が高い企業ほど、実行力に自信を持ち、適切なチャネルに投資し、より適切な外部パートナーを選んでいるとレポートは指摘しています。

    AI活用――戦術的な成果と、活かしきれていない可能性

    マーケティングリーダーの間でAI活用は拡大しているが、戦略への統合はまだ遅れている

    AIはすでにマーケティングの主流に入りつつあり、61%のチームがAIを積極的に活用していると回答しています。

    ただし、現時点での主な用途は、コンテンツ制作やクリエイティブなど、比較的戦術的なものにとどまっています。一方、より成熟度の高いマーケティングチームは、AIをより幅広く、より自信を持って活用しており、導入のスピードも速い傾向があります。

    多くの組織では、AIをどう管理し、どう活用するかというガバナンスや方針の明確さが不足しており、そのことがAIの可能性を十分に引き出せない要因になっています。

    AI活用には「自信の差」がある

    マーケターはAIそのものを使えないわけではありません。課題は、AIをどのように活用すればよいかというロードマップが不足していることです。

    AI導入の差は、好奇心や関心の差というよりも、組織としてAIを評価し、管理し、戦略的成果と結びつける仕組みがあるかどうかに表れています。
    成熟度の低いチームでは、AI活用がコンテンツ生成のような限定的な用途にとどまりがちです。一方、成果を上げているチームでは、AIを導入・運用するための方針や実験の枠組みが整備され、AIがどこで業務効率以上の価値を生むのかも明確になっています。

    レポートでは、今後の課題は「AIを周辺的なツールから、マーケティングの中核へ移していくこと」だとしています。

    多くのチームは、まだ基本的な用途にとどまっている

    現在のAI活用は、比較的短期間で成果を出しやすい領域に集中しています。

    ・画像生成:47%
    ・コンテンツのライティング・編集:42%
    ・自動レポート/ダッシュボード作成:39%

     一方、成熟度の高いチームではAIをより深く活用しています。

    特に、キャンペーンの成果やマーケティング指標をAIで分析する割合は、成熟度の高いチームが51%、低いチームが21%で、2倍以上の差があります。これは、AI活用が単なる生産性向上から、より能動的なインサイト獲得へと進んでいることを示しています。 

    AI活用を妨げているもの

    AIへの関心は高いものの、より深い活用を妨げている最大の要因は、ガバナンスの不足です。

    主な障壁として挙げられているのは、

    ・データプライバシーとセキュリティ:33
    ・人間らしい創造性が失われる懸念:30
    ・不正確・信頼できないアウトプット:30

    です。

    こうした懸念は、社内のルールや仕組みが不明確なことから生じているケースも多いとされています。
    役割分担や評価指標、AI利用ガイドラインが明確でなければ、各チームがそれぞれ独自に試すだけになり、組織全体としての活用にはつながりません。 

    成熟度が、AI活用への自信と使い方を左右する

    予算、戦略、実行力と同様に、マーケティング成熟度はAIの導入・活用にも影響します。

    AdvancedLeaderの組織は、AIを導入する可能性が高いだけでなく、

    ・より幅広い用途でAIを使う
    ・AIのアウトプットをより信頼する
    ・計画や意思決定にAIを組み込む

    傾向があります。

    反対に、成熟度の低い組織では、AI活用がコンテンツ制作などの戦術的用途に限定されやすく、管理や評価の仕組みも十分ではありません。
    つまり、組織のマーケティング成熟度が高いほど、AI活用もより意図的・戦略的になるということです。 

    なぜ重要なのか

    AIは急速に「あって当たり前」の存在になりつつあります。
    しかし、AIを単なる時短ツールとして扱うだけでは、その可能性を十分に活かすことはできません。 

    AIを戦略的に活用するには、マーケティングチームはAI導入を単なる生産性向上ではなく、ガバナンス、データ活用、組織としての成熟度を含めた取り組みとして捉える必要があるとレポートは指摘しています。

    今後に向けて

    マーケティングは急速に進化を続けていますが、その進化のスピードは組織によって大きく異なります。

    2026 Digital Marketing Trends Report」では、マーケティング組織が変化の過渡期にあることが示されています。明確さや組織体制を整えながら前進しているチームがある一方で、変化についていくことに苦戦しているチームもあります。

    成果を上げている組織は、長期的な成長を支える能力そのものに投資しています。具体的には、優れたCX、ブランド、マーケティング戦略を生み出すためのリサーチ、分析、インサイトといった領域です。

    一方で、成熟度の低い「Laggard」と成熟度の高い「Leader」の間にある差は、決して埋められないものではありません。戦略の改善、実行力の強化、AIの効果的な活用など、組織には成熟度を高めるための具体的な道筋があります。

     

    マーケティング成熟度を高める5つのポイント

    1. 戦略を実行可能なものにする

    成果を上げるチームでは、戦略を明確にし、組織内で共有し、各部門が計画と自分たちの役割を理解できる状態をつくっています。

     

    2. 適切な能力に投資する

    高い成果を上げるチームは、分析、ブランド、CX、リサーチ・インサイトといった領域にも投資することで、より賢く、長期的な成長につながるマーケティングを実現しています。

     

    3. 実行を仕組み化する

    実行力を高めるには、責任の所在を明確にし、プロセスを簡素化し、成果を継続的に測定することです。

     

    4. 価値をもたらす外部パートナーを選ぶ

    外部パートナーには、単に作業を任せるのではなく、集中力、組織との整合性、スピードをもたらす存在であることが求められます。自社チームの一員のように連携できるパートナーを選ぶことが重要です。

     

    5. AIを意図と戦略を持って活用する

    AIはすでに広く使われていますが、短期的な効率化にとどまらず、明確なユースケースとガバナンスを整備し、計画やパフォーマンスの向上にAIを活用することが求められています。

     

    レポート全文はこちらからご覧いただけます。

    https://drive.google.com/file/d/1rg7qVsFFKVxKlXSxFcrDAzAgdA4s8bsM/view

     

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    デジタルマーケティングでは、個別の施策だけでなく、戦略を明確にし、実行につなげる力がより重要になっています。こうしたマーケティング戦略や実践について体系的に学びたい方は、ハイパーアイランドの「デジタルマーケティングコース」もあわせてご覧ください。

     

    https://www.tds-g.co.jp/hij/action_learning/digital_marketing.html

     

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