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Hyper Islandの体験型学習アプローチ「Learning by Doing」とは

2026.02.01 更新

#Hyper Island#人材育成・リスキリング

変化のスピードがますます速くなる今、私たちに求められているのは「何を知っているか」よりも、「どう学び続けられるか」という力かもしれません。
Hyper Islandは、そんな時代背景のもとで生まれたLearning by Doing(実践を通じて学ぶ)という学びのアプローチを軸に、世界中で教育・人材育成を行ってきました。
本記事では、「Learning by Doing」とは何か、なぜ体験から始まる学びが重要なのかを解説していきます。

本記事は、Hyper Island Gloval Blog「Learning by Doing: Hyper Island’s Experiential Methodology」(原文英語)をもとに意訳・再構成したものです。

目次

    Hyper Islandの学びのアプローチとは

    Hyper Islandは、本質的には「学校」です。
    学びが起こる場所。でも、それだけでは語りきれません。

    Hyper Islandは、変容と成長がかたちになる場所でもあります。
    個人、チーム、組織が集い、絶え間なく変化する世界を先読みし、適応していくために必要なスキル・マインドセット・自信を築く場所です。

    さらにここは、世界中に広がる学習者、リーダー、チェンジメーカー、クリエイティブな思考を持つ人、そして好奇心あふれる人々によって構成されるコミュニティでもあります。
    共に学び、互いに刺激し合い、共有体験を通して成長していく人たちのネットワークです。

    では、Hyper Islandの学びは何が違うのでしょうか?

    その答えは、「学び方」から始まります。

    共に実践しながら学ぶ(Learning by Doing, Together)


    Hyper Islandでは、学びは情報を受け身で受け取ることで起きるものではないと考えています。学びは「体験」を通して生まれるものです。

    だからこそ私たちの学びのアプローチは、体験型学習・協働・内省を基盤に設計されています。
    長時間の講義や一方通行のトップダウン型の指導ではなく、参加者自身がプロセスに主体的に関わる学習環境をつくっています。

    つまり、私たちの学びは次のようなプロセスを通して進みます。

    ・実際にやってみる
    ・協働する
    ・アイデアを試す
    ・失敗する
    ・振り返る
    ・得た気づきを活かす
    ・そしてもう一度挑戦する

    学びは、一直線に進むものではありません。

    むしろ、混沌としていて、試行錯誤の連続です。

    具体的な体験、振り返り、概念化、そして能動的な実験――
    それらを行き来しながら深まっていきます。

    イメージとしては、こんな流れに近いかもしれません。

    私たちはこのプロセスを 「Learning Spiral(ラーニング・スパイラル)」 と呼んでいます。
    これは、体験学習の理論として知られるコルブの理論とも深く関連しており、次の4つの段階から構成されています。

    ●具体的経験(Concrete Experience)

    ●省察的観察(Reflective Observation)

    ●抽象的概念化(Abstract Conceptualization)


    ●能動的実験(Active Experimentation)


    では、Hyper Islandで実際にどのように学びが起きているのか、具体的な例を通してこのプロセスを見ていきましょう。

    Learning Spiral:学びはどのように起きるのか

    Learning Spiral(ラーニング・スパイラル)は、体験学習を実践的で行動につながるものにするための考え方です。
    深い学びは、体験に「振り返り」と「実践」が組み合わさることで生まれることを示しています。

    シンプルに言うと、このスパイラルは次のような流れです。

    まず「やってみる」

    学びは行動から始まります。
    問題について読むのではなく、その中に身を置きます。

    それは、実在するクライアントの課題かもしれません。
    チームで取り組むチャレンジかもしれません。
    正解のないプロジェクトかもしれません。

    十分な情報が最初から揃っていない状態でも、考え、決断し、関わる。
    そこから学びが動き出します。

    次に「振り返る」

    体験の後、私たちは一度立ち止まります。

    何が起きたのか?
    何がうまくいったのか?
    何がうまくいかなかったのか?
    何に驚いたのか?

    振り返りによって、単なる活動が「気づき」へと変わります。
    これがなければ、経験はただの繰り返しになってしまいます。

    そして「意味づけ、理解する」

    ここで振り返りは「理解」へと深まります。
    自分の体験を、概念・フレームワーク・パターンと結びつけていきます。

    実際に経験したことを土台にしながら、新しい思考の枠組み(メンタルモデル)を築いていきます。

    最後に「試してみる」

    そして新たに得た理解を、実際に試します。

    違うアプローチを取る。
    別の判断をしてみる。
    新しい行動を起こす。

    その行動が、次のスパイラルの出発点になります。

    このサイクルに終わりはありません。
    時間をかけて積み重なりながら、学習者に

    ・自信
    ・変化への適応力
    ・どんな状況からも学べる力

    を育んでいきます。

    なぜ「暗記」よりも「体験」が重要なのか

    私たちの多くは、講義・試験・正解を中心とした学習環境で育ってきました。
    この「従来型」の学びは、知識の伝達を重視します。
    つまり、「知っている人」が「知らない人」に知識を教えるという形です。

    この方法は基礎的な理解を築くには有効ですが、物事が複雑になったり、混沌としたり、未知の状況に直面したりしたときには、十分に機能しないことが多いのも事実です。
    そして現実の世界は、まさにそうした状況の連続です。

    Hyper Islandでは、理論から始めるのではなく、体験から始める体験学習を大切にしています。
    まず状況の中に入り込み、試し、判断し、行動してみる。
    うまくいくこともあれば、そうでないこともあります。
    どちらであっても、そこには振り返るべき「リアルな材料」があります。

    研究でも、主体的な参加がより深い学びにつながることが一貫して示されています。
    学習者が現実の課題解決に関わると、

    ・モチベーションが高まり
    ・記憶への定着が向上し
    ・理論と実践のギャップが小さくなる

    ことが分かっています。


    体験学習が効果的なのは、次のような理由からです。

    ・人は「聞いたこと」よりも「自分でやったこと」を覚えている
    ・振り返りが、体験を気づきへと変える
    ・学びが抽象的なものではなく、自分ごとになる
    ・失敗は「不正解」ではなく、「フィードバック」として扱われる

    コルブは「学習とは、経験の変容を通して知識が創られるプロセスである」と述べています。この考え方こそが、Hyper Islandの学びのアプローチの中心にあるものです。

    従来型の学習と体験学習の違い

    違いがより分かりやすくなるように、シンプルに比較してみましょう。

    従来型の学習

    ・直線的でカリキュラム主導
    ・知識は教師から生徒へ伝達される
    ・正解を重視する
    ・失敗は避けるべきものとされがち


    体験学習(Hyper Island)

    ・反復的で状況に応じて変化する
    ・学習者が主体的に知識を共創する
    ・探究と気づきを重視する
    ・失敗も学びのプロセスの一部

    これは、理論が重要ではないという意味ではありません。理論は重要です。

    ただHyper Islandでは、理論が最も価値を持つのは、実際の課題に向き合った「後」だと考えています。
    自分が体験したことの意味を理解する助けになるときにこそ、理論は活きてくるのです。

    リアルな課題と実在するクライアントから学ぶ

    私たちの学びのアプローチにおいて、とても重要なのが、現代の仕事の現実を反映した課題に取り組むことです。

    仮想のケーススタディではなく、Hyper Islandの学習者は、実在するクライアントや実際のビジネス課題に関わりながら学びます。
    企業からのリアルタイムの課題に取り組んだり、組織と協働して現在進行形の問題解決に挑んだり、教室の外でも意味を持つデジタルソリューションの形づくりに携わったりすることもあります。

    こうした経験は、

    ●教室の外でもスキルを発揮できるという自信を育て
    ●組織が実際にどのように機能しているかの理解を深め
    ●学びと実務の間に橋をかけ
    ●確実な状況だけでなく、「曖昧さ」に向き合う力を養います

    Hyper Islandにおいて、実在するクライアントと取り組むことは、体験学習を「現実のもの」にするための重要な要素です。
    それは仕事を疑似体験することではありません。それ自体が、仕事なのです。

    そしてそのプロセスは、振り返り、ファシリテーション、そしてしっかりとした学習フレームワークによって支えられています。

    変化し続ける世界に備える

    Hyper Islandは、本質的には学びの場です。
    しかしここまで見てきた通り、それは同時に、「学び方を学ぶ場所」でもあります。
    体験、振り返り、協働、そして実社会での実践を通して、その力を育てていきます。

    私たちがこの学びのアプローチを大切にしているのは、世界が予測不可能だからです。
    役割は変化し、ツールは進化し、産業そのものも姿を変えていきます。

    そんな中でも価値を持ち続けるのは、

    ✔変化に適応する力
    ✔学び続ける力
    ✔他者と協働する力
    ✔経験を振り返り、より自信を持って次へ進む力
    です。

    体験学習は、単に特定のスキルを教えるものではありません。
    それは、あらゆる経験から学べる力――メタラーニング(学習のための学習力)を育てます。
    この力こそが、Hyper Islandを離れた後も長く、個人がリードし、創造し、変化に適応していくための土台になります。

    理論を超えた学び、現実の仕事、現実の課題、そして実際のインパクトへとつながる学びを求めているなら、Hyper Islandの教育プログラムは、実践を通じた確かな道筋を提供します。

    Hyper Islandの学びを実際のコースで体験しよう

    本記事でご紹介した「Learning by Doing(体験を通じて学ぶ)」というアプローチは、Hyper Islandの各種プログラムでも実践されています。Hyper Island Japanでは、個人・チーム・組織が変化に対応し成長できるよう、さまざまなコースや学習体験が用意されています。

    最新情報は、こちらからご確認ください。

    https://www.tds-g.co.jp/hij/

    詳しい資料はこちらからダウンロード!

    Hyper Island Japanチーム

    北欧発のビジネススクール「Hyper Island」の日本チームです。
    Hyper Islandのメソッドや思想をもとに、企業や個人の学びにつながる情報を発信しています。