

ダイバーシティ&インクルージョンのビジョンマップ開発&Webページリニューアル
#ブランディング#Webデザイン#グラフィックデザイン
西日本旅客鉄道株式会社 さま/株式会社JR西日本コミュニケーションズ さま
多様な人が関わるD&Iの「一人ひとりの個性が活かされ、新しい価値が生まれていく」という理念や取り組み、実現した未来像までを一貫して「見える形」にするプロジェクトとして、JR西日本グループのビジョンマップとWebページのリニューアルを支援しました。情報を整理し、共有しやすい表現へ翻訳することで、同社が掲げる未来を伝えるための新たな基盤づくりに取り組みました。
| 対応内容 | ・ダイバーシティ&インクルージョンのビジョンマップ作成 ・ダイバーシティ&インクルージョンのWebページリニューアル |
|---|---|
| 期間 | 約9ヶ月 |
依頼の背景
D&Iの理念・取り組み・制度をより広く伝えるために
JR西日本では、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の理念・取り組み・制度を社内外に広く伝える広報活動において、既存サイトでは、同社が大切にしている「一人ひとりの個性が活かされ、新しい価値が生まれていく」という理念を十分に伝えきれていないという課題をお持ちでした。
本来、ダイバーシティ推進室に限らず、各部門や鉄道を利用するお客様、地域社会といった多様なステークホルダーを含む関係を幅広く示す必要があり、既存サイトのテキストによる事実や制度紹介が中心の構成では限界がありました。こうした背景から、社内外から広く興味を惹き、分かりやすく伝える表現を模索されていたところ、テイ・デイ・エスが出展していた展示会において「未来像の可視化」に関心を持っていただき、ご提案の後、正式にご依頼いただき本プロジェクトの実施となりました。
解決策
未来像を視覚的に伝えるビジョンマップの活用
D&Iの全体像を表現するアプローチとして、理念と施策の関係が分かりやすく視覚的伝わり、未来像を俯瞰できるビジョンマップを活用したWebページのリニューアルを提案。本プロジェクトでは以下の表現要件の実現を目指しました。
多様な人で構成するだけでなく、一人ひとりの個性が活かされ新しい価値が創出されている姿を表現すること
これまで同質性の高かった組織が、今まさに変わろうとしていること
社員や業種だけでなく、お客様・地域・自然など、グループ外の多様性も含めて伝えること
日々の生活に寄り添う鉄道だからこその親しみやすさ、心の距離の近さ、支え合い、温かさを表現すること
解決プロセス
ビジョンマップ|制作プロセスの全体像
D&Iの理念・施策・未来像を一つのビジュアルとして整理するにあたり、まずは「何を描くべきか」を明確にするところから着手しました。さらに、現在の取り組みや今後目指す姿、関係するステークホルダーとのつながりを一つの世界観として示すため、関連資料の読み込みやヒアリングを重ねながら、以下のステップで制作を進めています。
1. 施策リスト作成(情報の基盤整理)
「中期経営計画」「長期ビジョン2032」「統合報告書」などの資料をもとに、既存施策と今後予定されている施策を抽出し、体系的に整理した施策リストを作成しました。このリストはプロジェクトを進める基盤として機能しただけでなく、D&I推進全体を俯瞰する際にも活用できる資料となりました。
2. 多角的視点のヒアリング
ダイバーシティ推進室のほか、採用担当、IR担当、障がい者を雇用する部門や子会社の方々に対しても、大阪府内の拠点を訪問してヒアリングを行い、多様な視点を収集しました。得られた情報は未来像の構築に反映し、特定の視点に偏らない実態に即したビジョンの設計につながりました。
3. ビジョンマップの段階的開発
構成案(概要)→構成案(詳細)→ラフ→線画→着彩という工程で段階的に中間成果物を作成し、各段階で同社の意志を丁寧に汲み取り、方向性を共有しながら進めました。
構成案(概要)=エリアや事業の大まかな配置を示す。
構成案(詳細)=個別の情景、人物、建物等の配置を示す。様々な登場人物で多様性を表現
ラフ=手書きのラフイラストや簡単な線画で、可視化の方向を示す
線画=清書。各地方のランドマークや車両や建物、制服をデフォルメしつつも忠実に書き込む
着彩=全体共通のトーン&マナーを踏まえ着彩
鉄道事業ならではの情景や地域のランドマーク、多様な人物像を盛り込み、理念と施策が自然に理解できるビジュアルに仕上げています。
D&IのWebページリニューアル|ビジョンマップを軸に再設計
D&Iサイトの制作では、既存コーポレートサイトのデザインシステムとの整合性を保ちながら、ビジョンマップを基点とした表現に統一し、理念と施策の関係が分かりやすく伝わる構成を目指しました。
既存デザインシステムを踏まえたトーン&マナーの設計
D&Iページよびビジョンマップの制作にあたっては、既存のコーポレートサイトのデザインシステムに沿って構築を進めました。全体との整合性を保ちながらも、D&Iページとしての個性が自然に感じられるよう、トーン&マナーの整理に取り組んでいます。
配色についてもガイドラインに準じて選定し、「注意喚起」や「緊急情報」など用途が限定されている色は使用しないなどの調整を行いました。
ビジョンマップを随所に活用した統一感のあるデザイン構成
制作したビジョンマップは、D&Iページ内の随所に挿絵として使用できるようにトリミングや加工を行いました。また、当初はレンポジ写真等の使用を検討していた箇所でも、より自然な世界観を表現するために、ビジョンマップと同じテイストのイラストを新たに書き起こす方針に変更。全体のデザイントーンの統一感を高める要素としても有効でした。
アクセシビリティへの対応。多様な閲覧者に配慮した設計
D&Iページは、求職者・投資家・地域住民・社員など、多様な立場の閲覧者が利用します。そこで、読みやすさや操作性を確保するため、『アクセシビリティWCAG2.0(JIS X 8341-3:2016)』レベルAAに準拠した設計を行いました。
色のコントラスト、文字サイズ、ナビゲーション構造などについて監査を実施し、誰にとっても情報が届きやすいページとなるよう丁寧に調整しました。アクセシビリティ監査はテイ・デイ・エス社員が担当し、ガイドラインに沿った品質確認を徹底しています。
成果
D&Iで実現する多様な価値が育まれる未来に向けて
D&Iの理念や施策の全体像を整理し、ビジョンマップとして視覚化したことで、社内外に向けた認知・広報活動を支える表現へと整えることができました。ビジョンマップはWebサイト以外のコミュニケーションにも汎用的に活用しやすいビジュアル資産となっています。
また、ビジョンマップやWebページリニューアルのプロセスを評価いただき、当初の予定にはなかった「D&Iヒストリー」ページも追加で制作させていただきました。これにより、D&Iの取り組みの広がりや背景がより分かりやすく整理され、サイト全体としても閲覧性が向上し、理念と施策のつながりが自然に把握しやすい構成となりました。
公開後に寄せられた反応
Webサイト公開後、JR西日本のD&Iの取り組みに対して、社内外からさまざまな反応が寄せられています。高校生や大学生からは、研究や課題の一環としてD&I推進全般の取り組みについて取材したいという問い合わせがあり、次世代からも高い関心を集めています。
また、他企業のD&I推進担当者からは取り組みの整理の仕方やビジュアル表現について評価の声が寄せられており、社内からも「D&Iヒストリーを通じてこれまでの歩みを改めて知ることができた」といった前向きな声が聞かれるなど、理念や取り組みの伝え方について好意的に受け止められています。
今後も同社が目指すD&Iのさらなる推進に貢献できるよう、ご支援させていただきたいと考えています。
社内プロジェクトメンバー
プロデューサー・プロジェクトマネジャー:能藤 久幸
プランナー・ライター:池田 智美、阿部 麻由子
デザイナー:時任 麻衣子、瀧澤 菜月
Webディレクター:中川 佐知子、立岡 あかね
アクセシビリティ監査:田守 千尋
エンジニア:丹羽 聖我
組織のビジョンを、もっと伝わりやすく
多様な価値観や立場の人々が関わるテーマでは、組織が向かうべき方向性や未来像を“見える形”で共有することが大きな力になります。理念や活動の意図、実現したい未来像を整理し、内外のステークホルダーが共通の理解を持てる状態をつくることが、さまざまな取り組みの基盤になります。
テイ・デイ・エスでは、未来像の可視化、方針や施策の構造化、組織のストーリーを伝えるビジュアル開発など、企業が描く「これから」を共有しやすい形に翻訳する支援を行っています。ご検討の際は、ぜひご相談ください。
※記事への記載内容はプロジェクト時点の情報です。
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