

【2026年最新版】事業開発のベストプラクティス7選(実践例付き)
2026年の事業開発は、もはや提案資料を作って一度きりの契約を取ったり、ひたすらパートナー候補を追いかけたりするだけのものではありません。
重要なのは、チーム間・顧客の購買/利用プロセス(カスタマージャーニー)・さらには業界全体にわたって、長期的な価値を生み出し続ける「仕組み」を構築することです。
この記事では、2026年に向けた事業開発のベストプラクティスを7つ紹介し、それぞれを実務でどう活用できるのかを具体的に解説します。
なお本記事は、Hyper Island Global Blog「Business Development Best Practices for 2026」(原文英語)をもとに、意訳・再構成したものです。
2026年に向けた事業開発のベストプラクティス
市場の変化はこれまで以上に加速し、AIは業務フローを書き換えています。そして顧客は、パーソナライズ、サステナビリティ、そして信頼を当たり前のように求めるようになりました。
直線的なファネル設計、コールドアウトリーチ、縦割りの戦略といった従来型の手法(=旧来のプレイブック)では、こうした変化に対応しきれません。
これからのプレイブックに必要なのは、リアルタイムデータ、部門を越えたアラインメント(共通認識と連携)、そして変化に適応し続ける力です。
つまり事業開発担当者は「コネクター」として機能することが求められます。製品と市場のシグナルをつなぎ、パートナーとエコシステムを結び、戦略を具体的な行動へと落とし込む役割です。
では、実際にはどのように進めればよいのでしょうか?
以下で、詳しく解説していきます。
1.部門間を連携する
事業開発は、もはや特定の1部署の中だけで完結するものではありません(そして、それはむしろ良いことです)。
優れたアイデアは、現場の端から生まれます。たとえば、プロダクトデザイナーがユーザーから課題を聞き取ることもあるでしょう。マーケターがキャンペーンデータからパターンを見つけることもあります。営業担当者が、あるニッチな顧客ニーズを掘り当てることもあります。
優れた事業開発担当者とは、こうした点と点をつなげられる人です。
プロダクト、デザイン、マーケティング、オペレーションなど複数チームと協働し、チャンスを表面化させながら、サイロ(部署間の分断)を減らし、より速く前に進めます。
【実践のヒント】
・次の戦略セッションを準備する際は、別の職種(別部門)のメンバーを1人招きましょう。そして、その人の視点から見た「最大の機会」または「最も大きな障害(ボトルネック)」を共有してもらってください。
・大きな施策の後には、複数チームを巻き込んだ振り返りを行いましょう。縦割りの振り返りだけでは出てこない洞察が見つかることがよくあります。
・新しいアイデアを提案する際は、「何をするのか」だけを説明するのではなく、誰を巻き込む必要があるのか/その人たちにどんなメリットがあるのかまでマッピングしましょう。そうすることで、協働が理想論ではなく、具体的な行動になります。
2.AIツールを活用して、市場と変化の兆しをより速く把握する
事業開発において「タイミング」はすべてと言っても過言ではありません。
顧客トレンドの変化、競合の動き、新興市場の兆し——こうしたサインを誰よりも速く捉えられるほど、立ち位置は有利になります。AIはその判断を「勘」ではなく「データ」に基づくものへと変えてくれます。
優れた事業開発担当者は、AIを使って次のようなことを行います。
・市場全体における新たなトレンドや変化の兆しをモニタリングする
・実際の行動データをもとに、オーディエンスをセグメントする
・アプローチ前に、パートナー適合性や拡大余地を予測する
重要なのは、人間を置き換えることではありません。
私たちが本来得意とする「パターン認識」「好奇心」「意思決定」を、より大きな規模で発揮できるようにすることです。
【実践のヒント】
・AIツールを活用し、競合の動きや市場の世論・評価傾向をリアルタイムで追跡する。
・AIを試験的に使い、提携候補を上位10社に絞り込む。
・外部シグナル(市場のセンチメント、競合の動き)と内部データを組み合わせて、機会を多角的に捉えましょう。AIを使うことで、見落としていたギャップや盲点に気づけるようになります。
3.サステナビリティを軸にリードする
いま企業には、サステナビリティに関する意思決定について、より強く責任ある姿勢が求められています。
たとえば、どのように原材料を調達しているのか、どのサプライヤーを支援しているのか、そして企業の成長によって本当に恩恵を受けるのは誰なのか——こうした点まで問われる時代です。事業開発チームも、この「説明責任」をあらゆる交渉の中に組み込んでいく必要があります。
【実践のヒント】
・循環型ビジネスモデルにつながる機会を見つける。
・パートナー候補を評価する際には、次の問いを立てる:
「相手のサステナビリティへの取り組みは、自社の方針と整合しているか?」
「協働することで、長期的に自社の信頼性(信用)を高めるか/損なう可能性はないか?」
・事業開発のKPI管理にサステナビリティ指標を組み込み(例:サプライヤーのESG評価、案件ごとのカーボンフットプリントなど)、「収益」だけでなく、グリーン適合度(green fit)も並行して追跡できるようにする。
4.短期成果より、長期的な価値を優先する
短期的な成果は気持ちがいいものですが、本当の意味で持続する成長は、「スピード」ではなく「深さ」から生まれます
優れた事業開発担当者は、数字を追いかけるだけではありません。
長期的に価値が積み上がっていく関係性・仕組み・戦略を築いています。
たとえば、次のような選択です。
・時間はかかっても、共創(co-creation)につながるパートナーシップを選ぶ
・自社の価値観と合わない案件は、あえて断る
・短期キャンペーンよりも、導入支援や教育に投資する
【実践のヒント】
・新規リード数だけでなく、ネットリテンション(継続率・維持率)に注目する
・取り込んだ価値(売上など)だけでなく、提供できた価値も追跡する
・単に宣伝してくれる相手ではなく、共に成長できるパートナーを選ぶ
5.事業開発をプロダクト戦略と連動させる
これからの時代、事業開発とプロダクトが別々のレーンで走ることはできません。両者は共に創る関係である必要があります。
なぜなら、優れた提携、事業拡大、成長施策の多くは、結局のところ「プロダクトが何をできるのか(または、どう適応させられるのか)」に大きく依存するからです。
プロダクトチームには、市場のインサイトを持ち込む事業開発が必要です。
事業開発側には、「何が実現可能か」を形づくるプロダクトチームが必要です。
この連携が、双方の力を引き出します。
【実践のヒント】
・事業開発の計画セッションに、プロダクトマネージャーも参加してもらう。
・市場インサイトやユーザーリサーチの内容を、プロダクトチームと直接共有する。
・登録数だけでなく、利用状況(活用度)や提供価値が反映されるKPIを、両チーム共同で持つ(共有KPIにする)。
6.行動データに基づく営業アプローチを行う
もはや、手当たり次第のアプローチでは成果につながりにくい時代です。
いまの事業開発担当者は、行動データを活用して「誰に連絡するか」だけでなく、いつ・なぜ・どう伝えるかまで理解したうえで動きます。
つまり、次のような情報を把握しているということです。
・相手がどのコンテンツに反応したか
・どの機能を使ったか(あるいは使っていないか)
・相手企業が新しい施策やプロダクトをいつリリースしたか
相手に合わせたアプローチは、売り込みではなくサービスとして受け取られます。
そしてそれこそが、メールの受信箱が飽和している今の時代に効果を発揮します。
【実践のヒント】
・LinkedIn、メールトラッキング、プロダクトアナリティクスなどを使って、行動データ(行動のサイン)を追跡する。
・アプローチの中で相手の具体的な行動に触れる。(例:「〇〇をリリースされたのを拝見しました」)
・自分の都合ではなく、相手の意図(ニーズ)が高まっているタイミングに合わせて連絡する
7.単発のファネルではなく、「成長ループ」を設計する
ファネルは、見込み顧客を段階的に押し進め、最終的にコンバージョン(成約・登録)で終わります。
一方で成長ループ(Growth loops)は成長が循環する仕組みです。新しいユーザー、パートナー、行動が生まれるたびに次の勢いを生み出し、成長が循環していきます。
たとえば、新規顧客がさらに2人の顧客を連れてくる紹介プログラムや、コミュニティがコンテンツを生み出し、それが次の参加者を呼び込む仕組みなどです。
ファネルは止まりますが、ループは積み上がり続けます。(成長が複利で効いていく)
【実践例】
・1人の新規顧客がさらに2人の顧客を連れてくるような、パートナー紹介プログラム
・ユーザーがコンテンツや価値を共創し、コミュニティ自体が成長を生む「コミュニティ主導型成長」モデル
・使う人が増えるほどプロダクトが手放せなくなるような、プラットフォーム連携(インテグレーション)
【自問してみる】
・すべての関係者に対して、「2回目の接点」は設計できているか?
・成長が循環する仕組みを作れているか?それとも登録で終わってしまっているか?
・この機会を「ループ」に変えるには、何が必要か?
まとめ
2026年、これからの事業開発に求められるのは、思慮深さと、仕組みとして成長を生み出す視点です。
そして、その土台には「協働」「連携」「長期的な視点」があります。
これらの考え方を使うのに、営業職である必要はありません。肩書きに「ビジネスデベロップメントマネージャー」と書かれている必要もありません。
マーケターであっても、戦略担当でも、プロダクトマネージャーでも。
事業開発の視点で考えられるようになると、他の人が見落とす機会に気づけるようになります。
大切なことは、以下の3点です。
一緒につくる
深く掘る
賢く伸ばす
押し込むのをやめて、つなげ始めたとき。
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Hyper Island Japanチーム
北欧発のビジネススクール「Hyper Island」の日本チームです。
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