

健康経営で目指す、社員の「人生ハッピーファースト」
健康経営に取り組もうと思ったきっかけについて
コロナ禍で気づいた「座りすぎ」のリスク
テイ・デイ・エスでは2020年のコロナ禍以降、テレワークでの業務をメインに移行しました。オンラインツールを活用して効率的に業務を進める一方で、「長時間座り続けるのは、喫煙並みのリスクがある」という記事を読み、社員の健康状態に強い危機感を抱きました。
デザイナーは集中すると、どうしても長時間座りがちになります。特に在宅勤務だと、トイレに行く時くらいしか動かない。オフィスにいれば階段の上り下りなど多少の運動にはなりますが、テレワークは運動不足と長時間座り続けることが常態化しやすい。血行が悪くなったり、運動不足になったりと、喫煙並みのリスクがあると知って本当に怖くなりました。
同じ頃、知り合いや同業のデザイン会社でも健康経営に取り組んでいるという話を耳にする機会が増え、自社の経営陣でも話題に上がり、テイ・デイ・エスでも健康経営の取り組みをスタートしました。
健康経営で目指すゴールについて
社員の「人生ハッピーファースト」
テイ・デイ・エスが健康経営で掲げるゴールは社員の「人生ハッピーファースト」です。これは、テイ・デイ・エスで働く社員が、人生(ワーク・ライフ)の幸せを第一に考え、暮らしてもらうために、社員一人一人に健康の大事さを再認識してもらい、会社の健康経営施策を実践することで、「幸せ(=健康)」に暮らしてもらう。という想いを込め設定しました。
企業が健康経営に取り組むメリットとして、「生産性の向上」「企業イメージ・ブランド価値の向上」「組織の活性化」など様々な効果が期待されており、健康経営を実践することで、そのような効果にも期待はしていますが、そういったメリットよりも、何より社員が幸せな人生を送ってほしい。そのために会社ができることを考えて、健康経営に取り組んでいきたいと思っています。
健康は豊かに暮らすための土台ですが、健康というのは、結局は感覚値になると思います。でも、その感覚を論理的に理解して実践することで、確実に変わる。だからこそ、社員の皆さんにも知識を高めてもらい、健康管理に取り組んでほしいと思っています。
健康経営施策について
バーチャル運動会
社員のスマートフォンに専用の歩数計アプリをインストールしてもらい、チーム対抗でチームの平均歩数を競い合う企画を実施しました。リアルタイムで他のチームの歩数も確認できる仕組みになっていたので、これを話題にした、社員のコミュニケーションも生まれていました。
この施策では、社員一人ひとりの運動量がデータで確認できるので、これくらい歩いただろうという感覚値ではなく、「本当の歩数」が見えるのが、すごくよかったです。テレワークがメインの社員が多いので、歩数が多い社員は少ないだろうなと思っていましたが、実際にはイメージよりもたくさん歩いている社員が多く、「みんな健康への意識が高いな」と安心しました。
ウォーキング促進の仕組みとして、チーム対抗という仕組みも効果的だったと感じています。他のチームにギリギリで負けないように最後まで頑張って歩く社員も見受けられ、データとして目に見える形で表示されることで、自然とモチベーションが高い状態を維持できたのだろうなと感じました。個人的には、最も手応えを感じた施策でした。
健康になろうチャンネルの開設
テイ・デイ・エスでは社内のチャットツールとして、Slackを導入しており、Slack内で「健康になろうチャンネル」の開設をしました。このチャンネルでは、健康に役立つ豆知識の定期配信をして、社員の健康意識を高めるきっかけづくりをしています。
また、平日は業務で座りっぱなしの時間が長くなるので、会社で16時を体操・ストレッチタイムとして設定し、このチャンネルで平日16時に様々な体操・ストレッチの動画を配信して、それを見て実践するように声がけを行っています。
私も実践するようにしていますが、正直にお話しすると、忙しい日もあり、毎日はちょっときついです。笑
でも、健康はすべて自分のためなので、自己管理として社員の皆さんにもできるだけ実践してほしいと思っています。
体重計・血圧計および健康ケア用品のオフィス設置
社員が日常的に健康管理できるように、オフィスに体重計と血圧計の設置をしています。
また勤務中の気になる症状について、社内アンケートを実施して、特に症状の多かった、「頭痛」「目の疲れ」「腰痛」「肩こり」に効く、使い捨てのケア用品をオフィスに設置して、気軽にリフレッシュできる環境を整えています。
ケア用品については、定期的に社員の声を聞いて、補充・拡張していきたいと思っています。
生活習慣病リスクセミナー
健康に関するセミナーを定期的に実施する計画をしており、直近では、生活習慣病のリスクを学ぶセミナーを実施しました。
生活習慣病は、40歳以上からリスクが高まると言われているので、そのあたりの年齢層の社員に聞いてもらえればと思っていましたが、意外と若い人にも参加していただけたのは嬉しかったです。将来のために、早いうちから知識を持っておくことは大切ですので。
ただ参加人数に関しては、全社員の2割程度だったので、参加率の向上が課題と感じています。
今回お話しした施策以外にも様々な施策に取り組んでおります。
社長自身が実践する「健康へのこだわり(習慣)」
パフォーマンスを上げる食事術(栄養学)の実践
健康経営に取り組む以前に、妻から「食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術」という本を紹介され、今では私の愛読書になっています。
ストレスの多い現代社会で、ストレスに負けない「精神力」、病気に負けない「健康な体」、「深い思考と判断力」など、仕事のパフォーマンスを最大化する基盤は、食事(栄養)だということを、論理的に理解することができ、食事をする際、日常的に食事内容(栄養素)を気にするようにしています。
バランスの良い食事と朝カレー習慣について
家で、食事をする際は、「主食・主菜・副菜」を揃えるようにして、副菜は2品以上になるように努力しています。またメニューの種類だけでなく、栄養素にも目を向けて、多様な食材(肉・魚・野菜・豆・乳製品など)をバランス良く摂取できるよう気をつけています。
また、朝食は15年以上前から、毎日「カレー」を食べています。
朝カレーを始めたきっかけですが、2008年にNHKドキメンタリー番組「プロフェッショナル イチロー スペシャル」 で、朝カレーが紹介され話題になったことから、我が家でも、朝カレーの習慣が取り入れられました。
カレー作りにはこだわっていて、市販のルーは使わずに、スパイスから作る本格的なカレーで、グルテンフリーも実現しています。「毎朝スパイスからカレーを作るのはたいへんじゃない?」と聞かれることもありますが、もちろん毎朝作るのは大変なので、休日の日に作り置きをしておき、忙しい朝は温めるだけで、すぐ食べられるようにしています。
朝カレーのメリットですが、朝の献立を考えるストレスから解放されるし、作り置きをしておくことで、時間的な効率化もできる。カレーで摂取できる栄養だけでは、ちょっと足りないなと思った日は、フルーツやヨーグルト、サラダを補うだけでいいので、栄養学的にも問題ないし、自分の中では最高の朝食です。
インタビューなので、私が全て料理を考えたり、作ったりしているような話し方をしてしまいましたが、実際には妻が作ってくれています。笑
私や家族の健康を気遣って、毎日献立を考えて、料理をしてくれている妻には、本当に感謝しています。
好きだけどラーメン・加工食品は控えめに
健康的な食事の話しかしませんでしたが、もちろん体に悪いと言われている、ラーメンも好きなので、本当はもっと食べたいですが、できるだけ控えるようにしています。
美味しいと感じるものって、個人的な感想ですが、極端に言うと、脂がたくさん入っているものや、炭水化物だと思っています。脂と炭水化物がセットで、さらに塩分もすごいラーメンは、こういう言い方をして良いかわかりませんが、「不健康の究極の食べ物」だと思っています。
加工食品についても、食品添加物に気を配り、できるだけフレッシュな野菜や、お肉屋さんから買ってきた生肉を選ぶようにしています。ウインナーやベーコンは美味しいですけど、最近は控えています。
定期的な水分補給。水分補給の重要性と娘からの贈り物
実は過去に現場でデザイナーとして働いていた時、一度だけ、尿管結石ができてしまい、発熱と腹痛で仕事を一週間休んだことがありました。医者に原因を聞いたところ、水分不足(摂取不足)が主な原因だろうと診断されました。仕事中のことを思い返してみると、確かに作業に集中して、全然水分を摂っていなかったなと反省しました。今でも集中すると水分補給や定期的な休憩を取ることを忘れがちですが、当時本当に辛かったので、1日2リットルの水を飲むことを目標にして、こまめな水分補給を心がけています。
ただ、辛かったことだけじゃなく、嬉しかったことも実はあって、病気のことを聞いた、海外留学中の娘が、私のことを気遣って、日本では売っていない、時間ごとに水の飲む目安(メモリ)の入った専用のボトルを送ってきてくれました。娘が私の健康を気にかけてくれて、本当に嬉しかったですね。
今でもそれを愛用して、こまめな水分補給を忘れないように頑張っています。
ウォーキング習慣
週に1、2回は散歩で3000歩くらい歩くように心がけています。散歩は妻と一緒にするので、夫婦の会話を楽しみながらできる、良い健康習慣だなと感じています。
散歩の時もそうですが、実は日常的に履いているスニーカーにもこだわりがあって、「VIVO BARE FOOT」というブランドの靴を履いています。この靴はクッション性を高めた疲れにくい靴とは真逆で、足の筋肉を鍛えるために、素足に近い感覚を再現してくれる靴なんです。これを履いて歩くようになってから、足腰の筋肉がついてきたなと感じています。
定期的なジム通いと太極拳への挑戦
数年前に腰痛に悩まされていた時期があり、その頃から定期的にジムに通うようになりました。
初めは腰痛改善が目的だったため、プールでの歩行浴やクロール、平泳ぎ、背泳ぎなどに取り組んでいました。水中なので、適度に腰に負荷がかかるので、腰痛改善には効果的だったなと感じています。
その後、筋肉がついてきたおかげか、腰痛も大分良くなったので、全体的に筋肉をつけるために、色々なジムに通った後、現在はGOLD’S GYMに通っています。
GOLD’S GYMでトレーニングをしていた時に、ジムのプログラムに太極拳があったので、やってみようと思い、1年前から太極拳に挑戦しています。
太極拳に挑戦したきっかけは、Netflixのドラマ「コブラ会」というベスト・キッドのその後を描いた作品で、空手少年が悪者をやっつけるストーリーなのですが、それを見て、「カンフーや、空手ってかっこいいな!」と思っていた時に、ちょうどジムのプログラムに太極拳があったので、やってみようかなという軽い気持ちで始めました。
見たことのある人はわかると思うのですが、太極拳は動き自体、そんなに激しくなく、静かなので、年齢的にもやりやすいだろうなと思っていましたが、実際にはかなりハードでした。笑
ハードで大変でしたが、頑張ったこともあり、太極拳を実践してから、体の使い方や姿勢の保ち方、正しい姿勢のあるべき姿などが分かり、バランス感覚が養われ、日常的に正しい姿勢を保つ癖がついたので、腰痛や肩こりの予防につながっています。
やってみて思ったことは、自分が今まで、いかに正しい姿勢や体の使い方ができていなかったことに気づきました。最初は頭の中ではできても、体でできなかったことが、最近は筋肉がついてきたこともあり、体がついてきて、できるようになってきました。実際にやってみることや、継続は大切ですね。
現在の目標は、「太極拳48式」というものをマスターすることです。
これからの健康経営の取り組みについて
テイ・デイ・エスでは今年、健康保険組合の認定制度において、「健康優良企業」の認定を受けることができました。今後、経済産業省の認定制度「中小企業部門 健康経営優良法人」の取得を目指していきたいと思っています。
認定を取ることが目的ではありませんが、取り組みを体系化し、継続的に改善していくための指標にはなると思いますので、取得に向け挑戦していきたいです。
社員へのメッセージ
先日のウォーキング企画では、社員の皆さんの健康への意識が高いことが分かり、とても安心しました。ですが、さらに高みを目指してほしいです。特に食事や栄養学の知識を高めて、実践してほしいです。また現在、健康になろうチャンネルで共有される体操・ストレッチ動画も、ぜひ活用してください。
健康はすべて自分のためです。会社が環境を整えることはできますが、最終的には自己管理。ぜひ、自分に合った方法を見つけて、実践してみてください。
最後に健康川柳で締めさせていただきます。
「健康も知識と戦略デザインです」









